男性はお腹周りに脂肪がつきやすいといわれており、「お腹周りが気になってきた」という方も多いのではないでしょうか?お腹の脂肪を落とすために、腹筋運動を始める方も多いです。
しかし、腹筋運動だけでは、お腹の脂肪はなかなか落ちません。この記事では、効果的に腹筋周辺の脂肪を落とす方法やトレーニングについて解説します。
Contents
腹筋周辺の脂肪が増える原因
お腹が出てくる主な原因は「内臓脂肪」にあります。内臓脂肪とは腹腔内につく脂肪を指します。
【内臓脂肪と皮下脂肪】
- 内臓脂肪:内臓周辺につく脂肪で、内臓脂肪が過剰に増えた状態は内臓脂肪型肥満と呼ばれる。内臓脂肪型肥満は男性に多いとされている。内臓脂肪は比較的簡単に落とせる。
- 皮下脂肪:皮下組織につく脂肪で、皮下脂肪が過剰に増えた状態は皮下脂肪型肥満と呼ばれる。皮下脂肪型肥満は女性に多いとされ、皮下脂肪を落とすにはある程度時間が必要。
お腹の中につくのが内臓脂肪、お腹の表面につくのが皮下脂肪です。腹筋周辺を引き締めるには、両方を減らす必要があります。身体の脂肪が増える原因として、運動不足による消費カロリーの減少や食べ過ぎや飲み過ぎによる摂取カロリーの増加が挙げられます。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、身体に脂肪が蓄積されていくのです。
腹筋運動だけでダイエットするのは難しい
「昔は筋肉があったのに運動をやめたら全部脂肪になってしまった」「お腹の脂肪を筋トレして筋肉に変えよう」と考える方も一定数いるようです。脂肪と筋肉はまったくの別物です。筋肉が脂肪に変化したり、脂肪が筋肉に変化することはありません。
上記のような誤った認識が広まった原因は、運動をやめたことで筋肉の減少と脂肪の増加が並行して進んだためと考えられます。この2つが同時に進行したため、「筋肉が脂肪に変わった」と誤解してしまうようです。
腹筋はそれほど大きな筋肉ではありません。腹筋運動でもカロリーは消費しますが、消費カロリーが少ないため、大きな消費カロリーの増加はあまり期待できません。腹筋周辺の脂肪を落とすには、大きな筋肉を動かしたり、有酸素運動に取り組んだ方が効果的です。
有酸素運動で脂肪を落とす
有酸素運動とは、長時間継続できる低負荷の運動を指します。以下のような運動が有酸素運動に該当します。
【有酸素運動】
- ウォーキング
- ジョギング
- 自転車
- 水泳
- ジムでのスタジオプログラム
- 有酸素運動マシン全般
- その他、継続的に動き続けるスポーツ
有酸素運動が、脂肪の燃焼に効果的である理由は主に2つあります。
【有酸素運動がダイエットに効果的である理由】
- ある程度の時間動き続ける必要があるため、消費カロリーが増える
- 低い負荷の動きを続けることで、体脂肪をエネルギーとして消費する
有酸素運動では、主に脂肪を燃料として身体を動かします。そのため、有酸素運動に継続的に取り組むと、身体の脂肪が徐々に減少していくのです。
さらに、有酸素運動には、体力(全身持久力や筋持久力)も同時に鍛えられるメリットがあります。体力が向上すれば、より負荷の高い運動をより長く続けられるようになります。以前よりも負荷が高い運動を、長く継続できればより多くのカロリーを消費できるでしょう。
筋トレで大きな筋肉を鍛える
1日の消費エネルギーは以下の3つに分けられます。
【消費エネルギーの分類】
- 基礎代謝(生命を維持するために最低限必要なエネルギー)
- 活動代謝(日常生活や運動など身体を動かすと発生するエネルギー)
- 食事誘発性熱産生(食事で摂取した栄養素が分解される際に発生するエネルギー)
「基礎代謝」と「活動代謝」は、筋肉量が多い人ほど増える傾向にあります。筋トレで筋肉量を増やすと、日々の消費カロリーが増加し、脂肪が燃えやすい身体になります。
ただし、効率的にダイエットするためには、効果的に消費カロリーを高められる筋肉を鍛えることが重要です。小さな筋肉よりも大きな筋肉を鍛えた方が、筋肉量の増加が期待できます。腹筋周りのダイエットに取り組むのであれば、大きな筋肉を優先的に鍛えましょう。
腹筋周辺の脂肪を落としたい男性におすすめの有酸素運動
男性は女性と比べて身体が大きく、筋肉量も多いため、同じ有酸素運動に取り組んでいても、より多くのエネルギーを消費する傾向にあります。そのため、男性が内臓脂肪を落とすのは、それほど難しくないといえるでしょう。
まずは、消費カロリーが高い有酸素運動よりも、毎日無理なく継続できる運動を選ぶとよいでしょう。また、毎日同じ運動を選ぶ必要はありません。以下で紹介する運動の中からその日の気分に合わせて種目を選べば、飽きにくく、運動を続けやすくなるでしょう。
ウォーキング・ジョギング
ウォーキングやジョギングは、定番の有酸素運動です。特別な器具を必要としないため、運動靴とスポーツウェアさえあれば、すぐに始められる手軽さが特徴です。
ウォーキング・ジョギングでは、下半身の筋肉が使われます。下半身には大きな筋肉が集まっているため、動かすには多くのエネルギーを必要とします。加えて、胸を張った正しい姿勢で動くと、上半身の筋肉も使われるため、より高いエネルギー消費が期待できるでしょう。
ウォーキングとジョギングの内、どちらに取り組むのかは自分の体力と相談して決めましょう。どちらを選ぶべきは迷う方は、以下のポイントをもとに判断するとよいでしょう。
- 20分程度継続できるか
- 息は多少弾むが、隣の人と話ができるか
また、歩く・走るペースを決める時も、上記の2点を基準にするとよいでしょう。有酸素運動は、20分以上継続して行わなければ、効果がないというわけではありません。時間がない時は、5分でも10分でもOKです。
サイクリング
サイクリングも腹筋周辺のダイエットにおすすめの有酸素運動です。特に気候の良い時期は風を感じることができるので快適に運動できます。
また、サイクリングでは風を受けながら運動できるので、夏はウォーキングやジョギングよりも、ある程度暑さを軽減できるでしょう。
もし、自転車通勤が可能であれば、通勤手段を自転車に切り替えるのもおすすめです。梅雨の時期は難しいかもしれませんが、週3〜4回ほど自転車で通勤すれば、消費カロリーを大幅にアップできる可能性があります。
日常生活での活動量を増やす
日常的や仕事中の活動も有酸素運動と見なすことができます。腹筋周辺の内臓脂肪を減らすには、日常生活の中で少しずつ活動量を増やして、消費カロリーを高めるのも効果的です。
日常生活の中で活動量を高めるには、「寝ている、座っている」時間を、「立つ、立って身体を動かす」時間に意識的に変えていく必要があります。いくつか例をご紹介しましょう。
【日常生活の中で活動量を増やす方法】
- 遠回りして徒歩で通勤する
- 自転車や徒歩で買いものに行く
- エレベーターを避けて階段を使う
- スタンディングデスクワークを取り入れる
正直、面倒に感じるかもしれませんが、忙しい方でも「10分間トレーニングをするためにわざわざ時間を割く」といった必要はありません。他の運動のようにキツい思いをする必要もないため、習慣化の難易度は低いといえるでしょう。
趣味で身体を動かす
運動を長続きさせるコツは、「楽しくできる運動」を選ぶことです。無理なく続けるという点では、趣味で身体を動かすのもおすすめです。ゴルフやテニス、登山など、立って身体を動かす趣味であれば、活動量を高められます。
また、趣味にハマってくるとパフォーマンスを高めるために、自主的に筋トレや有酸素運動に取り組む意欲も湧いてくるでしょう。身体を動かす趣味を持つことが、腹筋周辺の脂肪を落とすことにつながるのです。
腹筋周辺の脂肪を落としたい男性におすすめの筋トレ
先にご紹介したように、大きな筋肉を鍛えることで、身体の消費カロリーを高めることができます。身体の中でも特に大きな筋肉として以下の筋肉が挙げられます。
【身体の大きな筋肉】
- もも(大腿四頭筋、ハムストリングス他)
- お尻(大殿筋、中殿筋他)
- 胸(大胸筋)
- 背中(広背筋、脊柱起立筋他)
- お腹(腹直筋、腹斜筋他)
腹筋以外にも、上記の筋肉も鍛えることで脂肪がつきにくく、落ちやすい身体を作れます。腹筋周辺の脂肪を落としたい男性におすすめの筋トレをご紹介しましょう。
スクワット
スクワットは、下半身の筋肉を効果的に鍛えられる筋トレです。スクワットでは、お尻や太ももなどの筋肉を鍛えられます。また、姿勢の維持に体幹の大きな筋肉も使われるため、1つの種目でさまざまな部位を鍛えられる点も特徴です。
【スクワットのやり方】
- 足を肩幅程度に広げ、つま先を軽く外に向けて立つ
- お尻を床に近づけるイメージで腰を下げる
- お尻が膝と同じ高さになったら止める
- 腰を上げて①の姿勢にもどる
スクワット中は、背中を伸ばしておくのがポイントです。1セット10回~20回を目安にしましょう。
腕立て伏せ
腕立て伏せでは、胸や二の腕、肩の筋肉を鍛えられます。また、腕立て伏せの姿勢を維持するには、体幹の筋肉も使う必要があります。複数の筋肉を刺激できるので、効果的に筋肉量を増やしたい方におすすめです。
【腕立て伏せのやり方】
- 肩幅の1.5倍ほどの幅で床に手をつく
- 手と足先だけで体重を支える
- 胸を床に着けるようなイメージで肘を曲げ伸ばしする
頭から、かかとまでのラインが一直線になるように、姿勢を維持するのがポイントです。通常の腕立て伏せで、身体を上げるのが難しい場合は、膝を床についた状態で腕立て伏せすると、負荷を下げられます。はじめは、1セット5回~15回を目安にするとよいでしょう。
ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングは、背中の筋肉を鍛えられる筋トレです。背中の筋肉を鍛えると、姿勢の改善も期待できます。姿勢が良くなると、身体全体の動きも良くなるため、活動代謝の向上が期待できます。
ベントオーバーローイングには、いくつかやり方がありますが、この記事ではダンベルを使った方法をご紹介します。ダンベルが手元にない場合は、ペットボトルなどの片手で持てる重りで代用しましょう。
【ベントオーバーローイング】
- ダンベルを両手にもって立つ
- 股関節を軸に上体を45度前に倒し、手をぶら下げる
- 肩甲骨を寄せながら、ダンベルをへその高さぐらいまで引き上げる
- ゆっくりと手を下げて②の姿勢にもどる
肩甲骨の内側や背中の横の筋肉を、しっかり使えているか意識しながら動きましょう。1セットの目安は15回~20回です。
クランチ
クランチは腹筋を鍛えられるトレーニングです。腹筋だけ鍛えてもお腹の脂肪を減らすのは難しいことを先にご紹介しました。しかし、腹筋の筋肉量を増やして、代謝を高める効果は期待できます。
【クランチのやり方】
- 手を頭の後ろで組んで仰向けになる
- 膝を90度に曲げて足を浮かせる
- 手で頭を支えながら、おへそを覗き込むように上体を丸める
- ③の姿勢を1秒キープ
- 元の姿勢にもどる
無理に起き上がろうとすると、腹筋以外の余計な筋肉も力が入ってしまい、肝心の腹筋に効かなくなる可能性があります。動きが小さくなっても構わないので、上体を丸める動きと腹筋を使うことに意識を集中しましょう。1セットあたり10回~20回が目安です。
ダイエットには摂取カロリーのコントロールも不可欠
先述のとおり、「摂取カロリー>消費カロリー」になると、腹筋周りの脂肪が増えます。反対に「摂取カロリー<消費カロリー」の状態では脂肪が減少します。お腹の脂肪を減らすには、消費カロリーを高めるか、摂取カロリーを減らさなければなりません。
先ほどご紹介した有酸素運動や筋トレは、消費カロリーを増やす方法です。しかし、摂取カロリーが高ければ頑張って消費カロリーを増やしても、腹筋周りの脂肪はなかなか落ちません。
ダイエットを成功させるには、摂取カロリーのコントロールが必須です。摂取カロリーを調整する際は、糖質と脂質の量に注意しましょう。適切な糖質・脂質の摂取量には個人差があるため、一概に値を示すのは難しいですが、以下の量を目安にするとよいでしょう。
- 1食の脂質を男性は15g~20g、女性は10~15gにする
- 砂糖の量を1日25g以内にする
糖質と脂質は、しっかり管理しなければ必要以上に摂り過ぎてしまいます。私たちの身の回りには、糖質・脂質を多く含む食品であふれているのです。栄養管理アプリを利用すれば、簡単にカロリーや栄養バランスをチェックできます。
アプリによっては、ダイエット時の適切なカロリーや糖質・脂質の摂取量を表示する機能が備わっています。また、食品を撮影するだけで、食品を識別して自動的にカロリーを計算・記録できる場合もあります。
ダイエットを始めるのであれば、スマホにインストールしておくとよいでしょう。
運動と食事管理の二本柱で腹筋周りをダイエット
腹筋周りの脂肪を落としたいのであれば、以下の2点に取り組みましょう。
- 有酸素運動と筋力トレーニングで消費カロリーを増やす
- 食事管理で適切な摂取カロリーを維持する
腹筋周りのダイエットを成功させる上で一番大切なことは、「継続できるレベルのダイエットに取り組むこと」です。過激なダイエットで落とした脂肪は、ダイエットをやめると再び増えてしまいます。
ダイエットに成功しても元の生活に戻れば、脂肪も増えてしまうのです。頑張らなくても続けられる程度のトレーニング・食事管理を習慣化することが、リバウンドの予防にもつながります。
特に食事管理だけ、運動だけで脂肪を落とそうとすると、かなりの忍耐が必要になるためずっと続けていくことは難しいです。腹筋周りの脂肪を落とすときは、減量に成功した後も継続できるレベルのダイエットに取り組みましょう。