20代の頃と食事の量は変わらないのに、「30代になって体重が増えてきた」「お腹が出てきた」という方も多いのではないでしょうか。
ダイエットのために、摂取カロリーを抑えようと考えている方も多いのではないでしょう。
しかし、何となく食事の量を減らすだけでは、期待したほど痩せない可能性も。
ダイエットでは、自身の消費カロリーに合わせて摂取カロリーを調整する必要があります。
この記事では、30代男性の筆者が4ヶ月で8kgダイエットしたカロリー管理方法をご紹介します。
これからダイエットに取り組む方は、ぜひご覧ください。
Contents
30代男性がダイエットする際の摂取カロリー
30代男性がダイエットする際に、どのぐらいカロリーを摂取すべきかについて解説します。
ダイエットのためには消費カロリー>摂取カロリー
減量するためには、消費カロリーが摂取カロリーを上回っている必要があります。
仮に今より摂取カロリーを減らしたとしても、消費カロリーが少なければ体重が減らないことも。
摂取カロリー < 消費カロリー → 体重増
摂取カロリー = 消費カロリー → 体重は変わらない
摂取カロリー > 消費カロリー → 体重減
体重が増えるということは、摂取カロリーが消費カロリーを上回っている状態です。
摂取カロリーと消費カロリーが釣り合っている場合、基本的に大きく体重が変化することはありません。
ダイエットに成功するためには、消費カロリーより摂取カロリーを少なくすることが大切です。
消費カロリーを算出する方法
体重が変化しない1日の摂取カロリーを把握することがダイエットの第一歩です。
1日に必要なカロリーには個人差があり、基礎代謝と活動レベルによって決まります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、以下の方法で消費カロリーの推定値を算出しています。
1日の消費カロリー = 基礎代謝 × 身体活動レベル
1日の消費カロリーは、基礎代謝に身体活動レベルに応じた係数を掛け算して算出します。
基礎代謝の算出方法
基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要な最低限のカロリーです。
年齢 | 基礎代謝基準値 (kcal/kg 体重/日) |
参照体重 (kg) |
基礎代謝 (kcal/日) |
---|---|---|---|
10~11 | 37.4 | 35.6 | 1,330 |
12~14 | 31.0 | 49.0 | 1,520 |
15~17 | 27.0 | 59.7 | 1,610 |
18~29 | 23.7 | 64.5 | 1,530 |
30~49 | 22.5 | 68.1 | 1,530 |
50~46 | 21.8 | 68.0 | 1,480 |
65~74 | 21.6 | 65.0 | 1,400 |
75以上 | 21.5 | 59.6 | 1,280 |
基礎代謝は、15~17歳をピークに減少していきます。
参照体重68.1kgの30代男性の場合、1520kcalとされています。
身体活動レベル
身体活動レベルは、1.5~2.0の3段階に分けられます。
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
---|---|---|---|
1.5 | 1.75 | 2.0 | |
日常生活の内容 | 生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合 | 移動や率の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣をもっている場合 |
※18~69歳の場合
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省
基礎代謝が1,520kcalで、身体活動レベルがふつうの人の1日に必要な消費カロリーは以下のようになります。
基礎代謝:1,520kcal × 身体活動レベル:1.75 = 2,660kcal
体重を落とすためには、摂取カロリーを消費カロリーより低くする必要があります。
無理なくダイエットしたい方は、摂取カロリーを消費カロリーの-10%程度の目安に調整すると良いでしょう。
フィットネストラッカーを使用する方法もおすすめ
フィットネストラッカーは、腕などに装着して消費カロリーや歩数などを測定するデバイスです。
アクティビティトラッカーとも呼ばれ、最近ではスマートウォッチとして使用できる製品も増えています。
筆者も消費カロリーの測定に、「Fitbit」を使用しています。
フィットネストラッカーを利用するメリットは、日々の消費カロリーをはじめ、睡眠時間や歩行距離などのデータを簡単に記録できる点です。
記録した消費カロリーは、スマホアプリやPCでいつでもチェックできます。
活動量によって消費カロリーは大きく変化するため、自分の消費カロリーを詳細に知りたい方におすすめです。
ダイエットするための摂取カロリーの目安
体脂肪1kgを燃焼するために必要な消費カロリーは7,200kcalです。
消費カロリー2,500kcalの人が、1ヶ月で体脂肪を1kg落とすためには、1日の摂取カロリーを2,260kcal前後に抑える必要があります。
【1ヶ月で1kg落とすための摂取カロリーの設定方法】
減量するための摂取カロリー = 1日の消費カロリー - (7,200cal × 1kg(減らしたい体脂肪の重量) ÷ 30日)
1ヶ月で2kg減量したい場合は、カロリーの収支を14,400kcalマイナスにする必要があるので、1日あたりの摂取カロリーを2,020kcal程度に設定します。
30代男性が4ヶ月で8kgダイエットしたカロリー管理方法
4ヶ月で8kgダイエットした筆者が、現在も続けているカロリーの管理方法をご紹介します。
摂取カロリーはアプリで記録
摂取カロリーの記録には、スマホアプリが便利です。
私は食事の記録に「FiNC」を使用しています。
fitbitアプリでも食事の記録はできますが、栄養素別の摂取量の目安が分かりやすい「FiNC」を利用しています。
食べたものと量を入力するだけで、その日の消費カロリーを計算できるので手間も掛かりません。
アプリによっては、食べたものを撮影するだけでカロリーを計算できる場合も。
カロリーだけではなく、タンパク質や脂質、炭水化物の摂取量も分かるので、脂質や糖質の摂り過ぎを防げます。
10日程記録をつければ、どの程度食事を摂ればよいのか分かるようになるでしょう。
体重や体脂肪率を記録できるアプリも多いので、ダイエットに取り組む方はぜひ利用しましょう。
消費カロリーはフィットネストラッカーで測定
消費カロリーの測定には、フィットネストラッカーの「fitbit Charge4」を利用しています。
ダイエットをはじめて2ヶ月目に、フィットネストラッカーを使い始めました。
【フィットネストラッカーをダイエットに活用するメリット】
- 消費カロリーの測定がラク
- 日々の消費カロリーの変化を追跡できる
fitbitを購入したきっかけは、2ヶ月目に食事内容を調整したところ、体重が落ちなくなったことです。
消費カロリーには個人差がある上、活動量によっても変化するため、日によって消費カロリーに大きな差が出ることも少なくありません。
計算による推定値の消費カロリーを大きく下回る日があることが分かったため、摂取カロリーを再び見直すことに。
フィットネストラッカーを使用することで、体重の減少が止まった原因をいち早く特定することができました。
効率的にダイエットを進めたい方は活用すると良いでしょう。
定期的な効果測定と目標設定
体重と体脂肪を定期的に測定して記録しましょう。
体重・体脂肪率を把握することで、うまくカロリーを管理できているかどうか確認できます。
1ヶ月単位で目標を設定し、ダイエットの効果を確認しましょう。
痩せたことが確認できれば、ダイエットのモチベーションも高まります。
ただし、毎日測定する場合は、日々の増減はあまり気にしないようにしましょう。
体内の水分量や食事のタイミングなどによって、体重の測定値にはブレが生じます。
また、測定するタイミングによっては、前日より1kg以上増減することも。
日々の測定値のブレを可能な限り小さくするためにも、体重を測るタイミングをできるだけ統一しましょう。
測定のタイミングを揃えても、それなりに測定値がばらつくのが普通です。
そのため、体重の増減は1週単位で判断することをおすすめします。
1ヶ月ダイエットを続けても体重が減っていない場合、原因を探る必要があります。
摂取カロリーと消費カロリーを数値で把握しておけば、原因の特定はそれほど難しくないでしょう。
原因を把握できたら目標体重だけではなく、運動で消費カロリーを200kcal増やす、摂取カロリーをあと100kcal減らすなど、具体的な施策目標を決めましょう。
これから体重計を購入するのであれば、スマホと連携できるタイプの体組成計がおすすめです。
手入力の手間を省くために、筆者はFitbitと連携できる体組成計を使用しています。
無理なくカロリー摂取を抑える工夫
カロリーを減らすと言うと、キツイ食事制限をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ここでは、無理なく摂取カロリーを抑える方法について解説します。
低カロリーな食品に置き換える
摂取カロリーを減らすためには、必ずしも食事量を減らさなければならないわけではありません。
重量ベースで食事の量を維持しつつ、カロリーの少ない食品に置き換えることで、摂取カロリーを抑えることができます。
特に、白米を別の穀物に置き換える方法は、摂取カロリーを手っ取り早く抑えられるのでおすすめです。
白米 | 玄米 | オートミール | |
---|---|---|---|
100gあたりのカロリー | 356kcal | 346kcal | 380kcal |
1食分のカロリー | 269kcal(160g、炊飯後) | 248kcal(160g、炊飯後) | 152kcal(40g) |
1食分タンパク質(1食分) | 4g | 4.2g | 5.48g |
脂質(1食分) | 0.48g | 1.5g | 2.28g |
炭水化物(1食分) | 59.36g | 53.4g | 22.46g |
食物繊維(1食分) | 0.48g | 2.1g | 3.76g |
100gあたりのカロリーを比較すると、オートミールがもっともカロリーが高く、玄米が低いことが分かります。
しかし、1食あたりのカロリーを比較すると、オートミールは白米よりも約120kcal低くなります。
1食オートミールに置き換えるだけで、1ヶ月あたりの摂取カロリーを3,600kcal減らせるのです。
オートミールにはさまざまな調理方法がありますが、おかゆ風に調理するとそれなりの量になるので満腹感も得られます。
よく噛んで食べる
食事をよく噛んで食べると、満腹感を得られるため食べ過ぎを防げます。
人が満腹感を得るまでには、20分ほど時間が掛かります。
よく噛まずに食べると、満腹感を感じるまでに食べ過ぎる恐れも。
また、食事をよく噛むことで満腹中枢が刺激され、満腹感を得られます。
レプチンという食欲を抑制するホルモンも分泌されます。
食物繊維を多く含む食品をメニューに取り入れると、噛む回数を自然と増やせるでしょう。
食物繊維の多い食品を選ぶ
ダイエットに取り組む際は、食物繊維の多い食品を摂りましょう。
食物繊維には、血糖値の上昇を抑える作用があります。
血糖値が上昇すると、すい臓が血液中の糖分を脂肪に変えるインスリンを分泌。
特に急激に血糖値が上昇すると、脂肪がつきやすくなります。
ダイエット時は、糖質の摂取量を減らした方がよいとされているのには、上記のような理由があるのです。
食物繊維は不足しがちな栄養素なので、意識して摂る必要があります。
【食物繊維を多く含む食品】
- 乾燥きくらげ 57.4g
- 乾燥しいたけ 41.0g
- インゲン豆 13.6g
- ブロッコリー 4.4g
- 切り干し大根 21.3g
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人男性の1日あたりの目標摂取量は21g以上、女性は18g以上とされています。
食物繊維は、野菜や豆、きのこなどに多く含まれています。
しかし、野菜だけで21g以上摂取するのはなかなか難しいため、玄米やオートミールなど、食物繊維を多く含む穀物をメニューに取り入れるとよいでしょう。
30代男性が知っておくべきダイエット時の食事ポイント
30代男性がカロリーをコントロールして、ダイエットする際のポイントについて解説します。
糖質の摂り過ぎに注意
ダイエットする際は、糖質の摂り過ぎに注意しましょう。
糖質は、砂糖のように甘いものだけではありません。
炭水化物にも糖質は含まれています。
糖質は身体にとって大切なエネルギー源です。
しかし、必要以上に糖質を摂取すると、エネルギーとして消費できなかった糖質が、脂肪として蓄えられるため太ることに。
成人の炭水化物の目標量は、1日の推定エネルギー必要量の50~65%とされています。
【炭水化物の目標量(炭水化物エネルギー比率)】
年齢 | 目標量(%) |
---|---|
18~29歳 | 50~65 |
30~49歳 | 50~65 |
50~64歳 | 50~65 |
65~74歳 | 50~65 |
1日の消費エネルギーが2,700kcalの場合、1,350~1,755kcalを炭水化物でまかなうということです。
1gの炭水化物には、4kcalのエネルギーが含まれているので、上記のケースでは1日にあたりの炭水化物の摂取量は、340~440g程度が目安になります。
消費カロリーを増やす
カロリーの摂取を抑えつつ、消費カロリーを増やすことで、より効果的に体重を落とせます。
活動量が多いほど、1日の消費カロリ―も増加するので、ダイエットに取り組む場合は運動も取り入れましょう。
体脂肪の燃焼には、有酸素運動が効果的です。
運動が苦手な方は、ウォーキングからはじめると良いでしょう。
基礎代謝を上げる
基礎代謝が上がれば、消費カロリーも増加します。
10代をピークに基礎代謝は減少するため、30代になると脂肪が付きやすくなります。
基礎代謝は何もしなくても消費するエネルギーなので、食事の内容が同じであれば、基礎代謝が高い人ほど太りにくいです。
基礎代謝を上げるためには、筋トレで骨格筋量を増やすのが効果的。
パーソナルジムのダイエットカリキュラムに、筋トレが組み込まれているのも、基礎代謝を維持・向上させるためです。
リバウンドを防ぐためにも、ダイエット中に基礎代謝を低下させないことが大切です。
極端なカロリー制限は避ける
極端なカロリー制限は、一見効果的なダイエット方法に見えるかもしれません。
短期的に見れば確かに体重は減少しますが、デメリットも多いです。
【極端なカロリー制限のデメリット】
- 代謝の低下
- 筋肉量の減少
- リバウンドしやすくなる
カロリー摂取が極端に少ないと、身体はエネルギーを節約しようとするため、基礎代謝が低下することがあります。
消費カロリーが減少するため、長期的にはダイエットの妨げになる可能性があるのです。
カロリー不足により、身体はエネルギー源として筋肉を分解してしまうこともあります。
ダイエット中に筋肉量が減少してしまうこと自体は珍しくありませんが、過度なカロリー制限は筋肉が減少するペースを速めてしまうのです。
また、食欲を抑えることが難しくなり、過食や摂取カロリーのコントロールが難しくなり、リバウンドのリスクも高まります。
ダイエットのためとはいえ、極端なカロリー制限は避けるべきです。
減量にばかりフォーカスするのではなく、健康的に痩せることを目指しましょう。
栄養バランスの良い食事を心がける
ダイエット中は、どうしても栄養が偏りがちです。
しかし、栄養バランスの良い食事は、ダイエットを成功させる上で欠かせない要素です。
【ダイエットにおける栄養バランスの良い食事のメリット】
- 食欲の抑制
- 筋肉量を維持できる
- ストレスを軽減
栄養バランスの良い食事は、食欲を自然に抑える効果があります。
タンパク質や脂質は満腹感を持続させるのに役立ち、繊維豊富な食品は消化を遅らせることで空腹感を抑えます。
また、タンパク質は筋肉の構成成分であり、筋肉量の維持・増加に欠かせません。
栄養バランスの良い食事は、ダイエット中のストレス緩和にも繋がります。
適切な栄養素摂取は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)の生成を助け、心身のストレスを軽減します。
ストレスを軽減できれば、無理なくダイエットを継続できるため、成功率を高められるでしょう。
一方で、自力で栄養バランスが整った食事を用意するのは、非常に手間がかかります。
「栄養を考慮しながら食事を選ぶのは面倒」という方には、宅食サービスがおすすめです。
適切な摂取カロリーを維持してダイエットに取り組もう!
30代男性がカロリーを管理しながら、ダイエットする方法について解説しました。
最後に要点をまとめておきましょう。
- ダイエットでは、摂取カロリーと消費カロリーを把握することが大切
- 摂取カロリーが消費カロリーより低いと痩せる
- 摂取カロリーを抑えるには、食品や食べ方を工夫する必要がある
ダイエットを成功させるためには、食事の管理が不可欠です。
無理のない範囲で、カロリーを抑えるよう心がけましょう。
30代男性向けに、カロリー管理と運動を組み合わせた効率的なダイエット方法も解説しているので、ぜひご覧ください。