年齢を重ねると特に気になってくるのが、お腹周りの脂肪です。お腹に蓄えられる脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪があり、それぞれの脂肪の特徴に合った運動に取り組むことが、効率良く痩せるコツです。
この記事では、お腹の脂肪を落としてスッキリしたスタイルを手に入れたい男性に向けて、お腹周りの脂肪を落とす筋トレや有酸素運動をご紹介します。また、運動でお腹周りの脂肪を落とすコツも詳しく解説します。
Contents
お腹周りの脂肪を落とす筋トレ6選
お腹周りの脂肪を落とすのに欠かせないのが、お腹の筋肉に刺激を与えて鍛える「筋トレ」です。筋トレで筋肉量を増やすことで脂肪が燃焼しやすくなり、効率良く脂肪を落とすことができます。
まずは、お腹周りの脂肪を落とすのにおすすめの筋トレについて、やり方やポイントなどをご紹介します。
スクワット
スクワットは、全身の約6~7割もの筋肉が集まっている下半身を鍛える筋トレです。筋肉量を増やして基礎代謝を高めることで、痩せやすい身体作りを目指せます。
【スクワットのやり方】
- 足を肩幅より広めに開けて、つま先を30度ほど外側に向けて立つ
- 胸の前で腕を軽く組む
- お尻を突き出しながら、太ももと床が並行になるくらいまでしゃがむ
- ゆっくりと元の姿勢に戻る
10回を1セットとして、3セットを目安に行います。しゃがんだ時には、膝がつま先よりも前に出ないように、背中をまっすぐにして取り組むのがポイントです。
筋肉にしっかりと刺激を与えるには、正しいフォームで行う必要があるため、フォームを意識しながらゆっくりと行いましょう。
バックランジ
バックランジは、足を後ろに踏み出すことで、お尻の筋肉である大殿筋や太ももの裏側にあるハムストリングスが鍛えられる筋トレです。腹筋に力を入れて安定させる必要があるため、体幹も鍛えられます。
【バックランジのやり方】
- 足を腰幅くらいに開いて立つ
- 上体をまっすぐにしたまま、片足を後ろに引く
- 後ろ足の膝が床スレスレになるくらいまで腰を落とす
- 地面を蹴るようにして、元の位置に戻す
- 足を入れ替えて、同様に行う
左右交互に10~15回を1セットとして、3セットを目安に行いましょう。腰を落とした時には、腰が反らないように、腹筋に力を入れて上体を安定させるのがポイントです。筋肉に刺激がかかっていることを意識しながら、正しいフォームで取り組みましょう。
アップダウンプランク
アップダウンプランクは、肘を付いたプランク(腕立て)と肘を伸ばしたプランクを交互に行い、身体を上下させる筋トレです。腹筋などの体幹の他に、胸部の筋肉の大胸筋や腕の筋肉の上腕三頭筋も鍛えられます。
【アップダウンプランクのやり方】
- 通常のプランクのように肘とつま先で身体を支える
- 身体を押し上げるようにして、左肘を伸ばす
- 次に右肘を伸ばして腕立て伏せの姿勢になる
- 再び、右、左の順番で肘を床に付ける
- 同様に、左右順番に身体を持ち上げる動作と下げる動作を繰り返す
最初は30秒間を目安に行い、徐々に時間を増やしていきましょう。身体がぶれないように、腹筋に力を入れて体幹を安定させて、背中からかかとまでのラインを一直線に保ったままで行うのがポイントです。
常に腹筋が緊張している状態を保ちながら、身体を動かしていきましょう。
マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは、有酸素運動の要素もある運動です。お腹にある腹直筋や腸腰筋、大殿筋などを鍛えられます。全身の筋肉を使うため消費カロリーが高く、お腹周りの脂肪の燃焼が期待できます。
【マウンテンクライマーのやり方】
- うつ伏せの状態で両手を床につき、腕立て伏せの姿勢になる
- もも上げのようなイメージで、片足の膝を胸に引き付けるようにして上げる
- 上げた足を元に戻し、反対の足を同様に動かす
- 左右交互に同じ動きを繰り返す
30秒間を1セットとして、3セットを目安に行いましょう。マウンテンクライマーでは、一定のリズムをキープしながら動きます。お尻を落としたり高く上げすぎないように、お尻が肩と同じ高さになるように維持しながら行うのがポイントです。
懸垂
懸垂は、背中の筋肉である広背筋を中心に、上半身の大きな筋肉を鍛えられる筋トレです。筋肉量を効果的に増やせるため、基礎代謝量の向上が期待できます。
【懸垂のやり方】
- 手幅を肩幅と同じくらいに開き、手の平が自分に向くように鉄棒を握る
- 背中・腕の筋肉の動きを意識しながら、顎が鉄棒と同じ高さになるまで身体を持ち上げる
- 上体を少しキープし、肘を伸ばし切らない程度まで下げる
- 同じ動作を繰り返す
10回を1セットとして、セットの合間に30秒間の休憩を入れながら、3セットを目安に行いましょう。手首の力で持ち上げずに、肩甲骨を寄せて鉄棒を胸に引き付けるイメージで行うのがポイントです。懸垂ができない場合は、まずは鉄棒にぶら下がることから始めることをおすすめします。
デッドリフト
デッドリフトは、バーベルを持ち上げる筋トレです。広背筋や大腿四頭筋、ハムストリングス、上腕二頭筋など、全身のさまざまな筋肉を鍛えられます。
【デッドリフトのやり方】
- 肩幅と同じくらいに足を開いて立ち、バーベルを順手でつかむ
- 身体の前面に沿わせるようにしながら、バーベルを持ち上げる
- 膝が伸びきったら、身体に沿わせるようにしながら、バーベルをすねの位置まで下ろす
- 同じ動作を繰り返す
バーベルの重量は、なんとか10回持ち上げられる程度の重さに設定しましょう。デッドリフト中に背中を丸めると、腰や背中を痛める原因になります。動作中は、胸を張って背中を丸めずに、できるだけバーベルを身体に寄せるように動かすのがポイントです。
お腹周りの脂肪を落とす有酸素運動5選
お腹周りの脂肪を落とすのに効果的な運動は、鍛える筋トレだけではありません。糖質や脂肪をエネルギー源とする「有酸素運動」と組み合わせると、よりスムーズに脂肪を燃やせます。男性におすすめの脂肪燃焼効果が高い有酸素運動をご紹介します。
ジョギング
ジョギングは、ランニングよりも走るスピードがゆっくりで負荷が小さく、運動習慣がない人でも続けやすい有酸素運動です。息が切れない程度のペースで走るため長時間続けやすく、効果的に糖や脂肪を燃やせます。
ダイエット目的でジョギングを始める場合は、効果を高めるために速く走ってしまう方もいるようです。しかし、スピードを出し過ぎてしまうと有酸素運動的な効果を得にくくなってしまいます。会話ができるくらいのペースを目安にするとよいでしょう。
運動習慣がない人は特に、ゆったりペースで長く続けることを心がけて取り組むことが大切です。
スイミング
スイミングは、有酸素運動の中でも運動強度が高く、脂肪燃焼効果を高めるためにも取り組みたい運動です。水圧による負荷を受けることで全身の筋肉が使われるほか、体温の維持にもエネルギーを必要とするため、陸上よりもダイエット効果が高まります。
水の抵抗を受けながら運動をするスイミングは、陸上で行う運動と比較すると2~3倍ものカロリーが消費されるといわれています。また、身体に浮力がかかるため、足腰や関節への負担を軽減できる点もスイミングの利点です。
泳ぎが苦手な人や体力がない人でも、水中ウォーキングを行うことで血流が良くなり、基礎代謝を高める効果が期待できます。
縄跳び
縄跳びでは、下半身の大きな筋肉や体幹を鍛えられるほか、心肺機能の向上や持久力の強化も期待できる有酸素運動です。有酸素運動の中でも強度が高いため、効率よく脂肪を燃焼できます。
縄跳びを上手く跳ぶには、身体全体をバランスよく動かす必要があります。縄跳びは、お腹や背中などの上半身の筋肉のほか、大腿四頭筋やハムストリングスなど、特に下半身への負担が大きい全身運動です。
前跳びやかけ脚跳び、交差跳び、二重跳びなど、跳び方に多くのバリエーションがあり、組み合わせて取り組めば飽きることもありません。正しいフォームと縄の長さに注意し、無理なく継続して行うことが大切です。
サイクリング
サイクリングでは、お腹やお尻、足などの大きな筋肉を使うため、筋力アップにも効果的な有酸素運動です。下半身の筋肉を鍛えながら脂肪も燃やせます。
他の有酸素運動と比較すると、足腰への負担が少ないところもサイクリングのメリットです。また、移動の手段として自転車を使えば、運動に費やす時間を作らなくても、普段の生活の中で身体を動かせます。
また、景色を楽しみながらリフレッシュもでき、ダイエットに伴うストレス解消をしながら続けられる点も特徴です。
エアロビクス・ダンス系プログラム
エアロビクスをはじめとするダンス系のプログラムも脂肪燃焼効果が高く、ダイエットにおすすめの有酸素運動です。音楽に合わせて身体を動かすため、ストレス解消にもつながります。
エアロビクスやさまざまなダンス系のプログラムが豊富に用意されているフィットネスジムも多いです。初心者から上級者まで、レベルに分けられたクラスがたくさんあり、経験がない人でも気軽に挑戦できます。
YouTubeでも多くのエアロビクス動画が公開されているので、自宅で運動することもできます。適切なウォームアップやクールダウンを行い、無理のない範囲で楽しむことが大切です。
運動でお腹周りの脂肪を落とすコツ
お腹周りの脂肪を落とすには、運動に取り組むのが効果的です。ただ、高い効果を得るには、内臓脂肪・皮下脂肪の特徴やトレーニングの優先順位などを考慮する必要があります。
できるだけ早く結果を出すために押さえておきたい、運動でお腹周りの脂肪を落とすコツをご紹介します。
内臓脂肪には有酸素運動
「内臓脂肪」は、お腹の中に蓄積される脂肪です。特に男性は女性と比較して、内臓脂肪がつきやすい傾向にあります。内臓脂肪を落とすには、糖質や脂肪がエネルギーとして使われる有酸素運動が効果的です。
有酸素運動を始めると、最初に血中の脂肪が多く使われ、20分ほど経過すると徐々に内臓脂肪が使われ始めます。ただし、必ずしも20分以上連続で運動する必要はありません。近年では、10分の運動を2回に分けるなど、1日トータルの時間が20分であれば、連続で運動した場合と比較して、ダイエット効果にそれほど差はないこともわかっています。
日常生活での活動も、一種の有酸素運動と見なすことができます。無理に運動に取り組む時間を作らなくても、歩く時間を増やすことを心がけるだけでも脂肪燃焼につながります。歩く時には、早歩きを意識するのもおすすめです。
皮下脂肪は代謝を高めて落とす
「皮下脂肪」は、皮膚のすぐ下の筋肉の上に蓄積される脂肪のことです。内臓脂肪と比較すると簡単には落ちないため、代謝を高めながらトレーニングを継続する必要があります。
運動をすると、エネルギー源として最初に内臓脂肪が使われ、皮下脂肪は後回しになります。一度蓄積された皮下脂肪を落とすのには、時間が必要なことを理解しておかなくてはいけません。
皮下脂肪をスムーズに落とすには、筋トレで大きな筋肉を増やして、じっとしている時にも消費されるエネルギー「基礎代謝」を高めるのが大切なポイントです。筋肉量が多いほど基礎代謝も増え、脂肪が燃焼しやすい身体に近づけます。
筋トレの後に有酸素運動を始める
運動でお腹周りの脂肪を落とすには、筋トレの後に有酸素運動に取り組むのが効果的です。筋トレを先に行うことで代謝が高まり、脂肪燃焼効果のアップが期待できます。
筋トレを行うと、「成長ホルモン」という筋肉や骨の増強や筋肉の回復を促進する働きがあるホルモンが分泌されます。成長ホルモンが分泌された状態で有酸素運動を始めると、効果的に脂肪が分解されるため、脂肪燃焼効果の促進につながります。
逆に、有酸素運動の後に筋トレを行った場合、成長ホルモンの分泌が抑制されるとする調査もあります。したがって、成長ホルモンが分泌された状態で有酸素運動に取り組むのが、お腹周りの脂肪を効果的に落とすための最適なタイミングといえるでしょう。
筋トレと有酸素運動を組み合わせて効率アップ
男性が効率良くお腹周りの脂肪を落とすには、筋肉量を増やして代謝を高める「筋トレ」と、糖質と脂肪をエネルギー源とする「有酸素運動」を組み合わせるのがおすすめです。筋トレを先に行ってから有酸素運動に取り組めば、より高い脂肪燃焼効果が期待できます。
また、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠もお腹周りの脂肪を落とす上で重要な要素です。運動と食事、睡眠をバランス良く取り入れることで、ダイエットの効果が高まり、お腹周りの脂肪を効果的に落とせるでしょう。
脂肪を落とすには時間がかかることを理解した上で、自分のレベルに合った運動に継続して取り組むことが大切です。筋トレと有酸素運動の組み合わせを試して、効果的にお腹周りの脂肪を落としましょう。