有酸素運動に、脂肪を減少させる効果があることは広く知られています。
有酸素運動に取り組んで痩せたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
効果的に脂肪を燃やすにはいくつかポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、男性におすすめの有酸素運動10種目と1時間あたりの消費カロリーをご紹介。
Contents
そもそも有酸素運動とは
有酸素運動とはウォーキングやジョギングのように、長時間継続できる負荷の軽い運動のことです。
筋肉を動かす際には、ATPと呼ばれる物質がエネルギー源として利用されます。
有酸素運動では、主に脂肪からATPを作り出します。
脂肪からATPを作り出す場合、酸素が必要となるため有酸素運動と呼ばれているのです。
一方、糖からATPを作り出す場合は、酸素を必要としません。
そのため、筋トレのような主に糖からATPを作り出す運動は、無酸素運動と呼ばれています。
ダイエットにおける有酸素運動の効果
先に解説したように、有酸素運動では脂肪からエネルギー源を作り出します。
有酸素運動を習慣化すれば、徐々に体脂肪が減少していきます。
脂肪を減らしてダイエットしたい方は、有酸素運動に取り組むとよいでしょう。
ただし、体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があり、皮下脂肪は簡単には落ちません。
顔や太ももなどの皮下脂肪を落としてスッキリさせるには、辛抱強くダイエットを継続する必要があります。
そのほか、有酸素運動には、心肺機能の向上や生活習慣病のリスクを低下させる効果も期待できます。
痩せるには筋トレと有酸素運動のどちらに取り組むべきなのか?
ダイエットを始めるにあたって、筋トレと有酸素運動のどちらに取り組むべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
筋トレのような無酸素運動では、直接的に脂肪の減少させる効果はあまり期待できませんが、酸素運動にはないメリットがあります。
筋トレによって筋肉量が増えると、基礎代謝が増加します。
【基礎代謝とは】
脳の活動や体温の維持、内臓の活動など、生きるために不可欠な活動に利用されるエネルギー。安静状態でも基礎代謝によって一定のエネルギーが消費される。
運動によって消費する身体が消費するエネルギー量は、基礎代謝が高い人ほど高くなる傾向にあります。
そのため、筋トレによって基礎代謝が高まれば、消費エネルギー量も増加するため、脂肪がつきにくくなるのです。
効率的にダイエットしたければ、有酸素運動と筋トレの両方に取り組むとよいでしょう。
痩せたい男性におすすめの有酸素運動10選と1時間あたりの消費カロリー
同じ有酸素運動でも種目によって、時間あたりの消費カロリーが異なります。
運動で消費するカロリーは、体重と運動強度(METs)、運動時間によって変化します。
METsとは、安静時に消費するカロリーを1として、運動によって安静時の何倍のカロリーを消費するのかを表した単位です。
消費カロリーの算出方法は以下の通りです。
上記の方法で運動によって消費するおおよそのカロリーを把握できます。
痩せたい男性におすすめの有酸素運動を10種類ご紹介しましょう。
踏み台昇降
踏み台昇降は、段差の昇り降りを繰り返す有酸素運動です。
踏み台昇降のMETsは3.5と、比較的軽めです。
【踏み台昇降のMETs】
コンディショニング運動、健康体操、楽からほどほどの労力、全般(例:背筋を使用した運動)、階段の上り下り:3.5
体重70kgの人が1時間踏み台昇降を続けた場合、 約260kcal消費します。
運動強度が低いので、体力にあまり自信がない方は踏み台昇降から始めるとよいでしょう。
ウォーキング
手軽な有酸素運動といえば、ウォーキングを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ゆったりしたウォーキングであれば、METsも低いので運動が苦手な方でも取り組みやすい有酸素運動といえるでしょう。
体重70kgの人が時速4kmで1時間ウォーキングした場合の消費カロリーは約220kcalです。
歩くペースを速めれば、時間あたりの消費カロリーも高くなります。
ウォーキングで消費するトータルのカロリーは、おおむね歩いた距離と比例するので、目標とする歩行距離を決めて自分の体力に合わせたペースで歩くとよいでしょう。
ジョギング
ジョギングもウォーキングと同様に走るペースによって運動強度が変化します。
走るペースにもよりますが、ジョギングでは歩行の2倍近いエネルギーを消費します。
体重70kgの方が1時間ジョギングを続けた場合の消費カロリーは約515kcalです。
ジョギングの消費カロリーも走った距離と比例する傾向にあるので、目標とする距離を決めて自身のペースで走るとよいでしょう。
サイクリング
サイクリングも男性のダイエットにおすすめの有酸素運動です。
サイクリングには、ウォーキングやジョギングよりもひざへの負担を軽減できるメリットもあります。
体重70kgの方が、1時間サイクリングに取り組んだ場合の消費カロリーは約550kcalです。
自動車や電車での通勤を自転車に切り替えれば、運動時間を確保するのが難しい方でも有酸素運動に取り組めます。
「忙しくて運動の時間を確保できない」という方は、サイクリングを検討してみましょう。
水中ウォーキング
運動が苦手な方には、水中ウォーキングがおすすめです。
水中では水に抵抗によって負荷がかかるため、地上でのウォーキングよりも運動強度が高くなります。
体重70kgの方が1時間水中ウォーキングに取り組んだ場合、約330kcal消費します。
水中では浮力の働きによって、地上でのウォーキングよりもひざや腰への負担を軽減できるメリットも。
ひざや腰への負担が心配な方は、水中ウォーキングに取り組むとよいでしょう。
水泳
水泳の消費カロリーは、種目によって異なります。
ゆったりと平泳ぎで泳いだ場合のMETsは5.3です。
一方、クロールの運動強度は8.3と、平泳ぎよりも多くのカロリーを消費できます。
体重70kgの方が1時間平泳ぎで泳いだ場合の消費カロリーは約390kcal、クロールでは約610kcalを消費します。
運動強度が高い運動に取り組めば多くのカロリーを消費できる一方で、相応の体力を必要とします。
自身の体力に合わせたレベルの運動に取り組むことが重要です。
縄跳び
縄跳びは、有酸素運動の中でも運動強度が高い種目です。
効率を重視する方におすすめです。
体重70kgの方が1時間縄跳びに取り組んだ場合の消費カロリーは約900kcalです。
縄跳びでは、効果的な脂肪の燃焼が期待できますが、身体への負担も大きくなるため無理は禁物です。
ヨガ
近年ではヨガも注目を集めるようになり、多くの人がヨガに取り組んでいます。
ヨガでは、ほかの運動ほど体力を必要としないため、運動が苦手な方でも取り組みやすい運動といえるでしょう。
体重70kgの方が1時間ヨガを継続した場合の消費カロリーは約180kcalです。
ヨガでは身体をリラックスさせたり、集中力を高める効果も期待できます。
エアロビクス
エアロビクスは、ダンスの要素を取り入れた有酸素運動です。
音楽に合わせて身体を動かすので、楽しみながら運動できる点がエアロビクスの特徴です。
体重70kgの方が、1時間エアロビクスに取り組んだ場合の消費カロリーは約500kcalです。
一口にエアロビクスといっても、初心者向けのプログラムから本格的なダンスの動きを取り入れたプログラムまで、さまざまな種類があるので最初はシンプルな動作のエアロビクスに挑戦するとよいでしょう。
フィットネスゲーム
自宅で有酸素運動に取り組みたい方にはフィットネスゲームもおすすめです。
最近ではNintendo Switch向けにさまざまなフィットネスゲームが販売されています。
フィットネスゲームの内容にもよりますが、運動強度は3.8とされています。
体重70kgの方が1時間フィットネスゲームに取り組んだ場合、約280kcalを消費します。
ゲーム機をお持ちの方は、フィットネスゲームも検討してみるとよいでしょう。
効果的な有酸素運動のやり方
ダイエットに取り組むのであれば、効率的に脂肪を減らしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
効率的に脂肪を減らすには有酸素運動のやり方も重要です。
効果的な有酸素運動のやり方を解説します。
1日のトータルで30分以上運動する
一般的に有酸素運動で脂肪を燃焼させるには、20分以上運動する必要があるときいたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、最近ではトータルの運動時間が同じであれば減量効果に大きな差はないことがわかっています。
連続で30分運動した場合と10分の運動を3セット行った場合の効果に差はないとされています。※
まとまった運動の時間を確保するのが難しい方は、複数回に分けて運動するとよいでしょう。
有酸素運動の頻度は週5回
有酸素運動でダイエットするには、一定以上の頻度で取り組む必要があります。
日本肥満学会の「肥満症診断ガイドライン2016」によると、肥満の改善には低~中程度の強度の運動に週5日程度取り組むとよいとされています。
ダイエットを成功させるには、自身の体力に合った無理なく続けられるレベルの有酸素運動を選択することも重要です。
はじめは軽めの有酸素運動に取り組んで、体力がついてきたらより強度の高い運動に取り組むとよいでしょう。
筋トレの後に有酸素運動を始める
同じ日に筋トレと有酸素運動に取り組む場合、先に筋トレに取り組むとよいとされています。
先にご紹介したように有酸素運動は主に脂肪を使って、筋肉を動かすためのエネルギー源を作り出す運動です。
しかし、厳密には有酸素運動を始めた直後は糖が使用され、徐々に燃料が脂肪へと切り替わっていきます。
先に筋トレなどの無酸素運動で、身体の糖を減らしてから有酸素運動を始めることで、効率的な脂肪の燃焼が期待できるのです。
運動の前後にストレッチを取り入れる
有酸素運動の前後にストレッチを取り入れることで、ケガを予防したり、疲労感を軽減できます。
ストレッチは、大きく3種類に分けられます。
【ストレッチの種類】
- ダイナミックストレッチ:身体を大きく動かしながら、筋肉を伸ばしたり、縮めるストレット
- バリスティックストレッチ:反動をつけて筋肉や関節を動かすストレッチ
- スタティックストレッチ:反動をつけずに筋肉や関節などをゆっくり伸ばすストレッチ
ダイナミックストレッチとバリスティックストレッチは動的ストレッチ、スタティックストレッチは静的ストレッチと呼ばれています。
動的ストレッチには、血行を促進して身体を温めたり、関節の可動域を広げる効果があります。
運動前に動的ストレッチを行うことでケガのリスクを軽減できるでしょう。
また、関節の可動域が広がると運動時の動きも大きくなるため、より多くのカロリー消費が期待できます。
一方、静的ストレッチには、運動後の疲労感を軽減する効果があります。
ストレッチで身体のコンディションを整えることで、無理なくトレーニングを続けられるでしょう。
有酸素運動しても痩せない主な原因
摂取カロリーが高すぎたり、有酸素運動の頻度が少なすぎると期待したような効果を得られないことも。
有酸素運動しても痩せない主な原因について解説します。
摂取カロリーが高過ぎる
ダイエットを成功させるには、摂取カロリーの管理が不可欠です。
有酸素運動でどれほど多くのカロリーを消費したとしても、食事のカロリーが高ければ、痩せるどころか脂肪が増えてしまう場合も。
ダイエットを始めるのであれば、運動と食事管理の両方に取り組む必要があります。
自身の摂取カロリーと消費カロリーをしっかり把握してくことが重要です。
摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように、食事を調整しましょう。
運動の頻度が少ない
ダイエットは日々の積み重ねです。
有酸素運動の頻度が少なすぎると、期待したほど痩せないことも。
先にご紹介したように有酸素運動の頻度は、週5日を目安にしましょう。
運動時間を確保するのが難しい場合は、一駅歩く、自転車通勤に切り替えるなど、移動時間を活用して運動するなどの工夫が必要です。
仕事が忙しいという方は、時間の使い方を見直してみましょう。
運動のモチベーションを維持するコツ
有酸素運動をはじめた直後はモチベーションも高く、運動に積極的になっている男性も多いです。
しかし、時間が経つにつれて、徐々にモチベーションが低下してしまうケースも少なくありません。
モチベーションを維持するには、いくつかコツがあります。
【運動のモチベーションを維持するコツ】
- 目標を明確にする
- 運動の進捗を記録する
- 種目にバリエーションを持たせる
- 一緒に運動する仲間を見つける
- 期待し過ぎない
目標を明確化することが、モチベーションを維持するための最初のステップです。
ダイエットを目的に有酸素運動を始めるのであれば、標準体重を目標にするなど、具体的な数値目標を設定しましょう。
また、「1週間にトータルで5時間運動する」など、運動に関する目標を設定するのもおすすめです。
進捗の記録もモチベーションの維持に有効な方法です。
定期的に体重を測定して、減量が進んでいることを確認できれば、やる気も高まるでしょう。
また、同じ有酸素運動ばかりに取り組んでいると、運動に飽きてしまうこともあります。
種目を変えてマンネリ化を防ぐことも重要です。
楽しいと感じる種目を選んだり、仲間と一緒に楽しめる運動を見つけるとよいでしょう。
有酸素運動に対する過剰な期待も、モチベーションを低下させる原因になります。
有酸素運動によって脂肪が減るペースは運動量や食事量、体質など、さまざまな要因に左右されます。
個人差もあるため、同じ運動に取り組んでいても脂肪が減るペースは人それぞれです。
適切な方法で減量に取り組んでいても期待していたほど、体重が減っていないこともあるでしょう。
「先月より100gでも減っていればOK!」ぐらいの軽い気持ちで取り組みましょう。
脂肪を落としたい男性は有酸素運動を始めよう!
ダイエットに有酸素運動を取り入れれば、効果的に脂肪を燃やせます。
有酸素運動で痩せるポイントをまとめると以下のようになります。
- 1日30分以上運動する
- 週5回が目安
- 筋トレの後に有酸素運動を始める
- 食事のカロリーをしっかり管理する
同じ有酸素運動でも種目によって、消費カロリーが異なります。
消費カロリーが高い運動に取り組めば効率的に脂肪を燃やせますが、相応の体力も必要です。
自身の体力に合った無理なく継続できる有酸素運動に取り組みましょう。
参考
※ 内臓脂肪減少のための運動 e-ヘルスネット 厚生労働省:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html