「太っているわけでもないのにウエストに脂肪がついている」と悩んでいる男性も少なくありません。ウエストの脂肪が増える原因は、生活習慣にあります。また、中年男性の場合、代謝の低下によって脂肪がつきやすくなっている可能性もあります。
この記事では、男性向けにウエストを絞るためのトレーニングをご紹介します。脂肪が増える原因や筋トレのポイントなども詳しく解説するので、ぜひご覧ください。
Contents
男性のウエストの脂肪が増える原因
男性のウエストに脂肪が増える主な原因として以下の3つがあげられます。
・男性は内臓脂肪型肥満になりやすい
・運動する機会が少ない
・糖質が多い高カロリーな食事
「内臓脂肪型肥満」とは、内臓周辺の腹腔に脂肪が蓄積している状態です。見た目は標準体型であっても、お腹だけがポッコリと出ている人は内臓脂肪型肥満になっている可能性があります。男性は内臓脂肪型肥満になりやすく、ウエストが大きくなってしまうのです。
また、仕事で忙しい毎日を送っている男性は、運動する機会も減りがちです。その結果、活動量が減少するため、脂肪が蓄積されやすくなります。
その他、ご飯や麺類などの糖質が多い高カロリーな食事の食べ過ぎも、脂肪が増える原因になります。加齢によって基礎代謝が低下しているにも関わらず、若いころと同じように糖質の多い食事を摂っていれば脂肪が増えていきます。
腹筋運動だけではウエストを絞れない
腹筋を鍛えるだけでは、ウエストを効果的に絞ることはできません。腹筋をどれほど鍛えたとしても、ウエストに脂肪が蓄積されている状態では、引き締まった体型になることはないでしょう。
腹筋運動に取り組んだとしても、ウエストの脂肪を優先的に落とせるわけではありません。ウエストを絞るには、腹筋を鍛えることよりも、脂肪を効果的に落とせるトレーニングを取り入れることが重要です。腹筋を鍛えるのは、脂肪を落とした後でも遅くはありません。
ウエストを絞るのであれば、大きな筋肉を鍛えると効果的です。筋肉量が多い人ほど、基礎代謝・活動代謝が高くなる傾向にあります。小さな筋肉を鍛えても、それほど代謝の向上は見込めません。大きい筋肉を鍛えた方が、効果的に代謝を高められるのです。
身体の大きな筋肉は、下半身に集中しています。ウエストを絞るのであれば、まずは下半身の筋肉を鍛えるとよいでしょう。
男性のウエストを絞る方法
ウエストを絞って理想的なスタイルを手に入れるには、食事のカロリーを適切に管理しつつ、脂肪を落とす効果のあるトレーニングに取り組む必要があります。男性のウエストを効果的に絞る方法について、詳しくご説明しましょう。
有酸素運動で内臓脂肪を燃やす
有酸素運動は、ウエストの引き締めにおすすめのトレーニングです。筋トレなどの無酸素運動では、糖質をエネルギー源とするのに対し、有酸素運動では主に脂肪をエネルギー源として利用するため、効果的に内臓脂肪を燃やせます。
有酸素運動を始めると、最初に糖質がエネルギー源として利用され、20分ほど継続すると脂肪の燃焼が増加します。ただし、必ずしも20分以上、有酸素運動を継続する必要はありません。
最近では、1日を通して20分以上運動するのであれば、連続20分間運動した場合と、数回に分けてトータルで20分間運動した場合の減量効果に大きな差はないこともわかっています。
代表的な有酸素運動として、ウォーキングやジョギング、水泳などが挙げられます。運動の時間をなかなか確保できない人は、歩く時間を増やすなど、普段の生活の中で積極的に身体を動かすとよいでしょう。
筋トレで脂肪が燃えやすい身体をつくる
筋トレには、大きく2つの効果があります。
【ダイエットにおける筋トレの効果】
- 脂肪が増えにくくなる
- 筋トレ後は脂肪が燃えやすい状態になる
筋トレで筋肉量を増やすと、じっとしている時にも消費されるエネルギーである基礎代謝が高まり、脂肪が増えにくい身体になります。
また、筋トレを行うと、成長ホルモンの分泌が活発化します。成長ホルモンには、骨や筋肉の発育・発達を促す作用があるほか、中性脂肪の分解を促進する作用もあります。体脂肪は、中性脂肪として身体に蓄えられていますが、そのままではエネルギー源として利用することはできません。
筋トレによって成長ホルモンの分泌が活性化すると、中性脂肪が遊離脂肪酸に分解され、エネルギー源として利用できる状態になります。筋トレによって脂肪が燃えやすい状態になるのです。
加えて、成長ホルモンによる脂肪分解作用は、トレーニング後も長時間継続することが明らかになっています。つまり、トレーニング後も脂肪が燃えやすい状態がしばらく続くのです。
ただし、同じ日に有酸素運動と筋トレを行う場合は、順序に注意する必要があります。有酸素運動の後に筋トレを行った場合と、有酸素運動の後に筋トレを行った場合を比較したところ、先に有酸素運動を行ったグループでは、成長ホルモンの分泌量が減少したとする調査もあります。※
同じ日に筋トレと有酸素運動を行うのであれば、筋トレから取り組むのがおすすめです。
摂取カロリーを適切に管理
ウエストを絞るには、摂取カロリーにも気を付ける必要があります。摂取カロリーが高すぎると、運動をしても脂肪が増えてしまいます。摂取カロリーが消費カロリーよりも低くなるように、適切に食事を管理することが大切です。
ご飯やラーメンなどの糖質の多い炭水化物を、つい食べ過ぎてしまうという人も多いでしょう。糖質を多く含む食事は、ウエストの脂肪を増やす原因になるため、食べ過ぎに注意が必要です。
糖質を摂る時には、血糖値の上昇を穏やかにする働きがある食物繊維と一緒に摂ると、脂肪がつきにくくなります。また、ダイエット中は脂質の摂取量も抑えることも大切です。
ダイエット中は、タンパク質不足にも注意する必要があります。タンパク質は筋肉や細胞の材料となる栄養素です。筋トレしてもタンパク質が不足していると、筋肉が増えにくくなります。糖質・脂質を抑えて、タンパク質を多めに摂るようにしましょう。
ウエストを絞りたい男性におすすめの筋トレ
先述の通り、筋トレには代謝を高める効果とトレーニング後の脂肪の燃焼を促進する効果があります。ウエストを絞りたい男性向けに、大きな筋肉を鍛えられる筋トレをご紹介しましょう。
リバースランジ
リバースランジは、足を後ろに踏み込んで腰を下げる動作を繰り返す筋トレです。太もも前部の「大腿四頭筋」やお尻の「大殿筋」など、下半身の大きな筋肉を鍛えられます。下半身の筋肉量を増やすのはもちろん、太ももやお尻の引き締め効果も期待できます。
【リバースランジのやり方】
- 両手は腕の前で軽く組み、両足を腰幅くらいに開いて立つ
- 片足を後方に向けて踏み込んでしゃがむ
- しゃがみ込んだ後に、元の姿勢に戻る
- 反対側の足も同様に行う
最初は左右それぞれ10~20回ずつ行い、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。前足に重心をのせるイメージで、極力頭からお尻までのラインが一直線になるよう姿勢を保ちます。
左右の肩と骨盤を平行に保ちながら動くのもポイントです。足を後方に踏み込む時には、後ろに出した側の膝が頭の真下に位置するようにします。ダンベルやケトルベルを持って実践すると、さらに高い負荷がかけられて効果的です。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、太もも前部の大腿四頭筋や内ももの「内転筋」に効果がある筋トレです。ワイドスクワットは、ノーマルスクワットよりも足幅を広げて行うため、膝への負担が少ないというメリットもあります。
【ワイドスクワットのやり方】
- 足を肩幅よりも広めに開き、つま先を外側45度くらいに向けて立つ
- 直立した姿勢で、両手を胸の前で合わせる
- 息を吸いながら、太ももの付け根と膝が同じ高さになるまで腰をゆっくりと下げていく
- 息を吐きながら元の位置に素早く戻る
1セット10~20回から始めて、慣れてきたらセット数を増やしていくとよいでしょう。腰を下ろした時に膝がつま先より前に出ないように、お尻を後ろに引くイメージで動作をするのがポイントです。
正しいフォームで行わないと、狙った筋肉に負荷がかからないばかりか、膝を痛める可能性があります。顔を正面に向けて、身体を上げる時には素早く動作することも大切です。
ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻の大殿筋や腰にある「脊柱起立筋」を鍛えられる筋トレです。お尻の筋肉だけではなく、体幹も鍛えられるため、基礎代謝の向上が期待できます。
【ヒップリフトのやり方】
- 仰向けに寝て、膝を90度に立てる
- 息を吐きながら、床からお尻を浮かせる
- 肩・腰・膝が一直線になるまで持ち上げたら、お尻を締めるようにして2秒ほど停止する
- 息を吸いながら、ゆっくりとお尻を下げる
最初は1セット10~15回を目安に取り組むとよいでしょう。反動を使わずにお尻を挙げることと、しっかり一度停止をするのがポイントです。お尻をしっかり上げないと、狙った筋肉に十分な負荷をかけられません。ゆっくり動きつつ、お尻の筋肉をしっかり使えているかどうか意識しながら行いましょう。
スタンディングカーフレイズ
スタンディングカーフレイズは、立った状態でつま先立ちになる筋トレです。スタンディングカーフレイズでは、ふくらはぎの「下腿三頭筋」を鍛えられます。
【スタンディングカーフレイズのやり方】
- 壁際で直立する
- 両手を肩幅ほどに開き、壁につける
- 足を肩幅よりも少し狭く開く
- つま先立ちになる
- かかとをできるだけ上げた状態で2秒ほど停止する
- かかとを下して床につける
最初は1セット20~30回から行い、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。ふくらはぎの筋肉に負荷が掛かっていることを確認しながら、かかとを上げるのがポイントです。
ダンベルやバーベルを使用したり、段差を利用してかかとを上げ下げする範囲を広げると、高い負荷をかけられます。
筋トレでウエストを絞るポイント
筋トレで筋肉を育てるには、筋肉に十分な負荷をかけることと、しっかり休息をとることが大切です。筋トレでウエストを絞るポイントを解説します。
毎日トレーニングする必要はない
筋肉は、トレーニングによって傷つけられた筋繊維が、修復されることで増強されます。筋トレで傷ついた筋繊維に回復する時間を与える必要があるため、毎日トレーニングをする必要はありません。
傷つけられた筋繊維は、筋トレによる負荷に耐えられるように、修復する時に少しずつ太くなって再生していきます。筋肉は、筋繊維の修復と再生を繰り返すことで増えていくのです。これが筋肉が大きくなるメカニズムです。
個人差はありますが、筋繊維が修復されるまでには24~72時間ほどの時間を要します。その間に、タンパク質などの筋肉の合成に必要な栄養素をしっかりと補給することも大切です。筋トレをする頻度は、筋力や強度などにもよりますが、週2~3回を目安にするとよいでしょう。
回数よりも追い込むことが大切
筋トレは、回数やセット数にこだわるよりも、限界まで筋肉にしっかりと負荷をかけて「追い込む」ことが重要です。
同じ回数やセット数で筋トレを続けていても、筋肉が負荷に慣れて増えにくくなっていきます。「これ以上は動けない」という状態まで筋肉を追い込む必要があるのです。
狙った筋肉に意識を向けて、しっかり筋肉に刺激を与えなければ、筋トレの効果は得られないでしょう。ただし、トレーニングマシンや器具を使った筋トレで、重量を上げ過ぎるとケガをする可能性があるため注意が必要です。
自分のレベルに適した負荷で、限界を確認しながらトレーニングに取り込みましょう。
効果的な方法でウエストを絞ろう
ウエストを絞るのであれば、大きな筋肉を鍛えられるトレーニングがおすすめです。特に下半身の筋肉を鍛えられる筋トレに取り組めば代謝が高まり、脂肪が燃えやすい身体を作れるでしょう。
筋肉量が増えると代謝が高まるため、有酸素運動による消費カロリーの増加も見込めます。効率的にウエストを絞りたい場合は、筋トレの後に有酸素運動に取り組むとよいでしょう。
数日でウエストを絞ることはできませんが、トレーニングを継続することで着実に脂肪は減っていきます。1ヶ月ごとに成果を比較すれば、トレーニングの効果を実感できるでしょう。まずは、3ヶ月を目標にトレーニングを継続しましょう。
参考
※肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識 横浜市スポーツ科学センター http://www.yspc-ysmc.jp/ysmc/column/health-fitness/diet-theory-3.html