「年々、お腹周りのサイズが大きくなってきている」とお腹を気にしている方も多いのではないでしょうか。多くの男性がお腹周りを引き締めるために、筋トレなどの運動に取り組んでいます。しかし、お腹周りの筋肉を鍛えるだけでは、十分に引き締めることは難しいです。
本記事では、お腹周りを確実に引き締めたい男性向けに、効果的なダイエット方法やおすすめの運動、減量中の食事における注意点などを詳しくご紹介します。
Contents
お腹周りの筋肉を鍛えるだけでは引き締められない
お腹周りの脂肪を減らすためには、筋肉を鍛える運動が必要です。しかし、お腹の筋肉を鍛えるだけでは、効果的な引き締めは難しいのです。まず、筋肉を鍛えるだけでは引き締められない理由を説明しましょう。
お腹周りの2種類の脂肪
お腹周りに蓄積される脂肪は、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。お腹周りを効率よく引き締めるためには、脂肪の種類に応じた運動を行う必要があります。
内臓脂肪は、内臓の周りに溜まる脂肪で、増加するとお腹がぽっこりと出てきます。男性につきやすい脂肪傾向があり、短期間で溜まるものの、落としやすいという特徴があります。
一方、皮下脂肪は、皮膚の下にある組織に蓄積される脂肪で、女性に多いとされています。内臓を守る役割があり、徐々に蓄積されるため、内臓脂肪に比べて減らすのが難しい点が特徴です。
内臓脂肪を減らすためには、脂肪・糖質をエネルギー源とする「有酸素運動」をメインとしたダイエットが効果的です。一方、皮下脂肪を減らすには、筋肉量を増やす「筋トレ」を中心としたダイエットが有効です。また、皮下脂肪を減らすには時間がかかるため、継続的にダイエットに取り組む必要があります。
脂肪を落とさなければ引き締めは不可能
腹筋は、脂肪によって見えなくなっているだけです。脂肪を落とせば筋肉量がそれほど多くない人でも腹筋が割れて見えます。お腹周りを引き締めるには、脂肪を減らすことが重要です。
しかし、腹筋を鍛える筋トレを行っても、お腹周りの脂肪が減るわけではありません。さらに、特定の部位だけの脂肪を減らすことは、基本的には困難です。お腹周りを引き締めるためには、全身の脂肪を減らす必要があります。
全身の脂肪を減らすためには、大きな筋肉を鍛えて筋肉量を増やし、消費カロリーを高めることが重要です。太ももの筋肉である「大腿四頭筋」や「ハムストリングス」、お尻の筋肉である「大殿筋」など、大きな筋肉が集まる下半身を鍛える運動に取り組むことが、お腹周りを引き締める近道となります。
お腹周りを効率的に引き締める方法
お腹周りを引き締めるためには、全身の脂肪が燃焼しやすい身体を作ることはもちろん、食生活を改善して消費カロリーを抑えることも重要です。効率的にお腹周りを引き締める方法をご紹介します。
摂取カロリーを適切な水準に保つ
ダイエットを成功させる上での必須要素が、「消費カロリー>摂取カロリー」の状態を維持することです。摂取カロリーを抑えて、適切な水準に保つ必要があります。
有酸素運動や筋トレに取り組んで消費カロリーを増やしても、食事から摂取するカロリーのほうが高ければ、脂肪が減ることはありません。運動しつつ、摂取カロリーを減らすのが、効率良くお腹周りを引き締めるポイントです。
代謝を高めて脂肪が燃えやすい身体を作る
代謝を高めて脂肪が燃えやすい体を作るのも効果的な方法の一つです。代謝を高めるためには、筋肉量を増やす必要があります。
基礎代謝は1日の消費カロリーの半分以上を占め、基礎代謝の内、約20%が骨格筋によって消費されます。筋肉量と代謝は比例するため、筋肉量が増えれば増えるほど代謝が向上します。
基礎代謝が高まれば、安静時の消費カロリーも増えるため、自然に脂肪が燃えやすい身体になります。
活動量を高めて脂肪を燃やす
基礎代謝を高めるのと同様に、日常生活での「活動量」を高めるのも、お腹の脂肪を引き締めるのに効果的です。
運動はもちろん、家事や労働などの活動でも身体はエネルギーを消費しています。エレベーターを使わずに歩く、一駅分歩くなど、ちょっとした工夫をするだけで活動量を増やせます。
歩く時間を増やして普段から身体を動かすことを心がければ、活動量が向上します。結果として脂肪の燃焼が促進され、お腹周りの引き締めにつながります。
男性のお腹周りを引き締める5つの運動
お腹周りの引き締めに効果的な筋トレや有酸素運動をダイエットに取り入れましょう。男性のお腹周りの引き締めに役立つ5つの運動の特徴や利点、やり方などを詳しく紹介します。
【有酸素運動】ボクササイズ
ボクササイズは、ボクシングの基本の動きを取り入れたエクササイズです。最近ではキックボクシングの動きを取り入れたキックボクササイズのプログラムも注目されています。ボクササイズは腕や足だけではなく、体幹も使う全身運動です。経験や体力に合わせたクラスがあり、初心者でも気軽に取り組めます。
ボクササイズは有酸素運動でありながら、無酸素運動の効果も得られます。ステップワークで全身を動かし続ける有酸素運動に、パンチやキックなどの無酸素運動の要素が加わるため、効率良く脂肪を減らせるでしょう。また、ボクササイズには、ストレス解消効果も期待できます。
【有酸素運動】縄跳び
縄跳びは、有酸素運動の中でも時間あたりの消費カロリーが高く、短時間で多くのカロリーを消費できる有酸素運動です。前跳びや交差跳びなど、跳び方のバリエーションが多く、飽きずに続けやすい点もメリットといえるでしょう。
縄跳びは、下半身の大きな筋肉を鍛えられる全身運動です。ももやふくらはぎなどの下半身の大きな筋肉が鍛えられます。正しい姿勢で行うことで、体幹も鍛えられます。心肺機能を向上させる効果もあり、継続的に取り組むことで身体の酸素を運ぶ能力が高められ、持久力のアップにもつながります。
【筋トレ】マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは、腹部や下半身の筋肉を鍛えるのに効果的な筋トレです。下半身の大きな筋肉を動かし続けるため、短時間で脂肪燃焼効果を得られるトレーニングとしても知られています。
【マウンテンクライマーのやり方】
- 両肘を伸ばして、腕立て伏せの状態になる
- 走っている時のように、右膝を胸まで近づけたら元に戻す
- 左膝も同様に胸に近づける
- テンポよく左右交互に同じ動きを繰り返す
左右合わせて20回を1セットとして、3セットを目安に行いましょう。体幹を意識して、お尻と肩を同じ高さに保ちながら動くのがポイントです。膝を寄せる時に息を吐き、足を戻す時に息を吸いながら、リズミカルに行います。
【筋トレ】ダンベルオーバーヘッドランジ
ダンベルオーバーヘッドランジは、ダンベルを頭上に持ち上げた状態で行う筋トレです。お尻や太ももなど、下半身の筋肉を鍛えられます。
【ダンベルオーバーヘッドランジのやり方】
- ダンベルを両手に持ち、頭上高く腕を伸ばす
- 姿勢を維持したまま右足を大きく踏み出す
- 太ももが床と平行になるくらいまで腰を落としていく
- 足を元の位置に戻す
- 左足も同様に前に出して戻す
左右それぞれ10回を1セットとして、3セットを目安に行いましょう。全身を安定させるために腹筋に力を入れ、背筋をまっすぐに伸ばした状態で取り組むことが重要です。お尻の筋肉も意識すると、大殿筋の強化にもつながります。
【筋トレ】ケトルベルスイング
ケトルベルスイングは、両手で持ったケトルベルを振り上げる筋トレで、全身の筋肉を鍛えられます。
【ケトルベルスイングのやり方】
- 腕の力を抜いて両手でケトルベルを握る
- 両足を肩幅程度に開き、膝とつま先をやや外側に向ける
- 膝と股関節を軽く曲げ、お尻を後に突き出すように腰を下げる
- 素早く膝と股関節を伸ばして立ち上がり、腕を伸ばしたまま反動でケトルベルを振り上げる
- 2の姿勢に戻る
10回の動作を1セットとして、3回セットを目安に行います。ケトルベルを振り上げる時には、腰を曲げたり反らしたりせず、背筋を伸ばしたまま動くのがポイントです。
初心者や肩の可動域が狭い人は、ケトルベルを頭上まで振り上げずに、目線の高さくらいまで振り上げるところから始めましょう。
減量中の食事の注意点
お腹周りを引き締めるには、毎日の食事管理も重要です。減量中の食事の注意点についてご説明します。
糖質・脂質の摂り過ぎに注意
お腹周りを引き締めるには、「糖質」と「脂質」の摂り過ぎに注意しなければなりません。ご飯や麺類などの炭水化物に多く含まれる糖質は、過剰に摂り過ぎると内臓脂肪として蓄えられ、お腹周りの脂肪を増やしてしまいます。
また、脂っこい物に多く含まれる脂質も、脂肪に変わりやすい栄養素です。糖質や脂質を控えめにして、野菜やキノコ類などで食物繊維を多めに摂取することで、空腹感を軽減しつつ、摂取カロリーを抑えられます。
飲酒は控えめに
お酒を飲むと、アルコールの代謝が優先されるため、脂肪や糖質の代謝が鈍化します。過度な飲酒は脂肪を増やす原因になるため、減量中にはアルコールの量を控えめにすることが大切です。
身体がアルコールを代謝している間は、脂肪や糖質のエネルギー消費が一時的に抑制されることがあります。そのため、体脂肪がどんどん増えてしまうのです。
お酒を飲む頻度を減らせば、お腹周りの脂肪の蓄積を抑制できます。ただし、適度な飲酒が心身のストレス軽減に役立つ場合もあるため、飲酒を完全に避ける必要はありません。お酒が好きな人は量を抑えましょう。
タンパク質が不足する場合はプロテインで補う
筋肉量を増やして脂肪が燃えやすい身体を作るには、筋肉を作る材料となるタンパク質の摂取が重要です。食事だけではタンパク質が不足する場合は、プロテインで補うのも一つの方法です。
タンパク質は、筋肉を作る材料となる他、皮膚や臓器、髪の毛など、身体を作るために使われる重要な栄養素です。タンパク質が不足すると筋肉量が減少し、脂肪が燃えにくい身体になってしまう可能性があります。
減量中は食生活を見直して、タンパク質を積極的に摂ることが大切です。栄養管理アプリなどでタンパク質の摂取量をチェックして、不足する場合はプロテインを活用するとよいでしょう。
お腹を引き締めたい男性は全身を鍛えよう!
男性がお腹周りを引き締めるには、代謝や活動量を高めて、脂肪が燃えやすい身体を作ることが大切です。有酸素運動や筋トレに継続的に取り組みましょう。
運動と併せて、糖質や脂質、飲酒量を適切に管理して食生活を改善すれば、スッキリと引き締まったお腹になるでしょう。お腹周りを引き締めるには、運動と食事を組み合わせた総合的なダイエットが効果的です。軽めの運動や低カロリーな食品への置き換えなど、できることから始めましょう。