ダイエットのために、食事のカロリーを減らそうと考えているものの、「どのぐらい減らせばよいのだろう」「ダイエットする際の摂取カロリーの決め方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。
ダイエット時の摂取カロリーは、1日の消費エネルギー量に合わせて決める必要があります。
ダイエットをはじめようと考えている20代男性のために、1日の推定消費エネルギー量を知る方法や摂取カロリーの決め方について解説します。
カロリーの管理方法も紹介するので、ぜひご覧ください。
Contents
20代男性が1日に必要とするカロリー
成人男性が1日に必要とするカロリーは、基礎代謝と活動量によって変化します。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年度版」では、1日の推定エネルギー必要量を以下の方法で算出しています。
【1日の推定エネルギー必要量の算出方法】
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
20代男性が1日に必要とするカロリーを算出する方法を解説しましょう。
まずは基礎代謝を知ろう
基礎代謝とは、生命維持に必要な活動によって消費される1日のエネルギー量。
身体をまったく動かさない状態でも消費されるエネルギーです。
基礎代謝量の算出方法は複数存在しますが、本記事では国立健康・栄養研究所の推定式を紹介します。
【国立健康・栄養研究所の基礎代謝量推定式】
女性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.4235)×1,000/4.186
男性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.9708)×1,000/4.186
上記の方法で算出した推定基礎代謝量に、身体活動レベルに応じた値を掛けると1日に必要なおおよそのカロリーを算出できます。
活動量によって1日の消費カロリーは変化する
日本人の食事摂取基準2020年度版では、身体活動レベルを3つ段階に分類しています。
身体活動レベル別の活動内容は以下の通りです。
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
---|---|---|---|
日常生活の内容 | 生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合 | 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合 | 移動や率の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣をもっている場合 |
※18~69歳の場合
出典:日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省
身体活動レベルは、年齢ごとにレベル分けされています。
身体活動レベル | 低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
---|---|---|---|
1~2(歳) | - | 1.35 | - |
3~5(歳) | - | 1.45 | - |
6~7(歳) | 1.35 | 1.55 | 1.75 |
8~9(歳) | 1.40 | 1.60 | 1.80 |
10~11(歳) | 1.45 | 1.65 | 1.85 |
12~14(歳) | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
15~17(歳) | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18~29(歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30~49(歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50~64(歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
65~74(歳) | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
75以上(歳) | 1.40 | 1.65 | - |
18~29歳の身体活動レベルは、低い(Ⅰ)が1.50、普通(Ⅱ)が1.75、高い(Ⅲ)が2.00に設定されています。
1日の基礎代謝量が1,530kcal、身体活動レベルが普通(Ⅱ)の20代の推定消費エネルギー量は2,678kcalということに。
推定消費エネルギー量は、筋肉量などによっても変化するため、個人差が大きく正確な数値を把握するのは困難とされています。
あくまでも目安と考えておきましょう。
毎日の消費エネルギー量を把握したい方にはフィットネストラッカーがおすすめ
先に紹介した通り、1日の消費エネルギー量は活動量の影響を受けるため、日によって変化します。
毎日の消費エネルギー量を手軽にチェックしたい方には、フィットネストラッカーがおすすめです。
フィットネストラッカーとは、心拍数などのバイタルサインを測定・記録できるデバイスです。
腕に装着するだけで消費カロリーを測定できます。
腕時計型の製品が多く、スマートウォッチとして使用できる製品も。
消費エネルギー量はもちろん、睡眠時間や歩数なども記録できます。
20代男性がダイエットを成功させるためのカロリー管理方法
ダイエットを成功させるには、カロリーをしっかり管理しなければなりません。
20代男性がダイエットを成功させるためのカロリー管理方法について解説します。
痩せるには摂取カロリーを消費カロリーより低く抑えなければならない
摂取カロリーが消費カロリーより高ければ、体重は増加します。
痩せるには、摂取カロリーを消費カロリーより低く抑えなければなりません。
【摂取カロリー・消費カロリーと体重の関係】
摂取カロリー>消費カロリー→体重が増加
摂取カロリー<消費カロリー→体重が減少
食事の摂取カロリーが消費カロリーより低い場合、身体を動かすためのエネルギーが不足します。
身体は不足分のエネルギーを、体内に蓄えた脂肪で補います。
そのため、体脂肪が減少し、体重も減少するのです。
ダイエット時の摂取カロリーの決め方
ダイエットに取り組む際は、1日の摂取カロリーの上限を決めておきましょう。
体脂肪を1kg減らすには、7,200kcal消費する必要があります。
1ヶ月で2kg減量したいのであれば、カロリーの収支を14,400kcalマイナスにしなければなりません。
14,400kcalを30日で割ると480kcalです。
1日の推定消費カロリーが2,678kcalの場合、摂取カロリーを2,198kcal以下に抑えれば、計算上は1ヶ月で2kg減量できます。
1日の推定消費カロリーを基準に、1日の摂取カロリーを決めましょう。
栄養管理アプリで摂取カロリーを毎日チェックしよう
栄養管理アプリを利用すれば、摂取カロリーを簡単にチェックできます。
アプリで食べたものを入力すればカロリーだけではなく、タンパク質や炭水化物の摂取量なども自動的に計算してくれます。
さまざまな栄養管理アプリがネット上で提供されているので、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
ダイエットを始める前に、栄養管理アプリをスマホにインストールしておきましょう。
朝食・昼食・夕食をバランス良く摂る
身体は睡眠中にも一定のエネルギーを消費しています。
朝はエネルギーが不足しているため、適度な量のカロリーと栄養を摂取することが望ましいです。
朝食を抜くと、昼食や夕食を食べ過ぎてしまうリスクが高まるほか、昼食時の血糖値が上がりやすくなる場合もあり、脂肪が増える原因になります。
昼食は、1日の活動エネルギーを補給するために重要です。
昼食を抜いてしまうと、夕方以降のエネルギー不足につながることがあります。
夜間は日中ほどエネルギーを消費しないため、夕食のカロリーは控えめにしておきましょう。
また、消化に時間がかかる食品を避け、睡眠の質を損なわないようにしましょう。
ダイエット中のおやつの選び方
ダイエット中でもおやつを楽しみたい場合は、低カロリーで栄養価の高い食品を選ぶことが重要です。
ダイエット中のおやつは、食物繊維やタンパク質を多く含み、砂糖の少ない食品がおすすめです。
【ダイエット中におすすめのおやつ】
- 果物
- ナッツ類
- ヨーグルト
- 野菜スティック
- 低脂肪チーズ
ただし、おやつはあくまで小腹を満たすためのものであり、食事の代わりにはなりません。
また、低カロリーなおやつであっても食べ過ぎは禁物です。適量に抑えましょう。
栄養素のバランスも考慮しよう
ダイエット中に摂取カロリーだけに注目すると、栄養素のバランスが偏ってしまうことがあります。
健康的に痩せるためには、総摂取カロリーだけでなく、栄養素のバランスも考慮することが重要です。
多様な食材を使い、色彩豊かな食事を心がけることで、自然と栄養バランスの良い食事を摂れるでしょう。
タンパク質
タンパク質は筋肉や内臓、骨、皮膚などの構成要素であり、免疫機能や酵素の働きにも関与しています。
ダイエット中は筋肉量を維持するために、十分なタンパク質を摂取することが重要です。
1日の摂取量の目安は、総カロリーの10~20%です。タンパク質は肉類や魚、乳製品などに多く含まれています。
脂質
脂質はエネルギー源であり、細胞膜の構成やホルモンの生成にも関与しています。
不飽和脂肪酸を中心に摂取し、過剰な飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は避けましょう。
1日の摂取量の目安は、総カロリーの20~30%です。
不飽和脂肪酸はサケやサバ、イワシなどの魚や、亜麻仁油などに多く含まれています。
飽和脂肪酸は、牛肉や豚肉、皮つきの鶏肉に多く含まれているので、肉を食べる際は脂の少ない部位を選びましょう。
炭水化物
炭水化物は身体にとって主要なエネルギー源であり、脳や筋肉の働きに欠かせないない要素です。
ダイエット中は炭水化物の摂取量を適度に制限し、食物繊維が豊富な穀類や野菜、果物を中心に摂取しましょう。
1日の摂取量の目安は、総カロリーの50~60%です。
ダイエット中に炭水化物を摂取する際には、血糖値の上昇が緩やかな低GI値食品を選ぶと良いでしょう。
雑穀やオートミール、玄米などが低GIです。
また、全粒粉パンやライ麦パンなど、精製されていない穀物を使用したパンもおすすめです。
ビタミンとミネラル
ビタミンとミネラルは、体内で様々な化学反応を助ける役割を果たしています。
ダイエット中は摂取カロリーが減るため、ビタミンやミネラルが不足しがちです。
【ダイエット中に不足しがちなビタミン・ミネラル】
- ビタミンB群:エネルギー代謝や神経機能に関与しています。穀類や肉類などから摂取できます。
- ビタミンC:抗酸化作用やコラーゲンの生成に関与し、免疫力を維持する働きがあります。果物や緑黄色野菜に多く含まれています。
- ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、骨や歯の健康に必要です。
- カルシウム:骨や歯の構成成分であり、神経伝達や筋肉の収縮に関与します。乳製品や小魚などから摂取できます。
- 鉄:血液中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成成分であり、酸素輸送に重要な役割を果たします。肉類や魚類などで摂取できます。
- 亜鉛:免疫機能や味覚機能の維持、タンパク質や核酸の合成に関与しています。魚介類や乳製品、藻類で摂取できます。
- マグネシウム:エネルギー代謝や筋肉や神経の機能維持に重要です。藻類や大豆製品などで摂取できます。
ダイエット中であっても、野菜や果物、魚、肉、豆類などのバリエーション豊かな食材を摂取することが重要です。
摂取カロリーを消費カロリー以下に抑える3つの方法
摂取カロリーを消費カロリー以下に抑える方法は、大きく以下の3つに分けられます。
- 食事の摂取カロリーを減らす
- 基礎代謝を高める
- 活動量を増やす
それぞれの方法について解説します。
【方法1】食事を低カロリーな食品へ置き換える
1つ目の方法は、低カロリーな食品への置き換えです。
食事のカロリーを抑えるというと、食事の量を減らすことを考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、単純に食事の量を減らしてカロリーを抑える方法には、空腹を感じやすくなるデメリットがあります。
空腹感が強くなると、反動で大量に食事を食べてしまう可能性も。
食事量の制限を検討する前に、現在の食事を低カロリーな食品に置き換えられないか見直しましょう。
例えば、鶏もも肉をささみに置き換えると、摂取カロリーを減らせる上に、タンパク質もしっかり摂取できます。
カロリー | タンパク質 | 脂質 | |
---|---|---|---|
にわとり/もも/皮つき/生(100g) | 234kcal | 17.3g | 19.1g |
にわとり/ささみ/生(100g) | 107kcal | 24.6g | 1.1g |
ダイエットを成功させるには、極力ストレスを感じない方法でダイエットに取り組むことも大切です。
【方法2】筋肉を増やして基礎代謝を高める
2つ目は、筋肉を増やして基礎代謝を高める方法です。
基礎代謝によって消費されるエネルギーの内、約20%は骨格筋が占めています。
筋トレで筋肉を増やせば、基礎代謝を高められます。
基礎代謝の向上を目的に筋トレする場合、大きな筋肉を鍛えると効果的です。
大きな筋肉は下半身に多く、身体の筋肉の60%は下半身にあるとされています。
そのため、ダイエット時の筋トレには、下半身の筋肉を効率的に鍛えられるスクワットがおすすめです。
下半身の筋肉を鍛えて基礎代謝を高めましょう。
【方法3】運動で活動量を増やす
3つ目は、活動量を増やす方法です。
先に解説した通り、活動量によって1日の消費エネルギー量は変化します。
身体を動かすほど、消費カロリーも高くなります。
デスクワークが多く、身体を動かす機会が少ない方は、できる範囲で運動する時間を確保しましょう。
活動量を増やしたい場合、ランニングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。
20分以上有酸素運動に取り組むと体脂肪が燃焼されるため、余分な脂肪を落とせます。
ご紹介した3つの方法を組み合わせれば、より効率的にダイエットできるでしょう。
摂取カロリーの管理を徹底したい20代男性は宅食を活用
ダイエットをはじめたいと考えている方の中には、「忙しくて食事のカロリーに配慮する余裕がない」「アプリに食事を入力するのは面倒」という方もいるのではないでしょうか。
手間をかけずに摂取カロリーの管理を徹底したい方には、宅食がおすすめです。
宅食とは、調理済みの食事が自宅に届くサービス。
宅食のメニューは、カロリーや栄養バランスが考慮されているため、カロリーを摂り過ぎる心配もありません。
宅食会社によって、ダイエット用のメニューや高たんぱくメニューも提供しています。
宅食サービスの詳細については関連記事をご覧ください。
消費カロリーと摂取カロリーを適切に管理しよう!
20代男性が1日に必要とするカロリーについて解説しました。
最後に要点をまとめておきましょう。
- 1日の消費エネルギー量は基礎代謝と活動量で決まる
- 痩せるには摂取カロリーを消費カロリーより低く抑える必要がある
- 運動と摂取カロリーの管理を組み合わせると効率的にダイエットできる
ダイエットを成功させるには、カロリーの管理が不可欠です。
消費カロリーと摂取カロリーを適切に管理して、無理のない範囲で減量に取り組みましょう。
20代男性向けに、運動を含めた総合的なダイエット方法も解説しているのでぜひご覧ください。