「お腹周りの脂肪が増えてきた」「健康診断でダイエットをすすめられた」など、中年男性がダイエットをはじめるきっかけは、人によってさまざまです。
きっかけが何であれ、中年男性が無理なくダイエットを成功させるには、計画的に減量に取り組むことが大切です。
ダイエットをはじめようと考えているものの、何から手をつければよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、中年男性がダイエットを成功させるポイントや無理のない計画の立て方を紹介します。
ダイエットにはじめて取り組む方は、ぜひご覧ください。
Contents
中年男性が痩せにくい理由

「若いころと比べて痩せにくくなった」と感じている方もいるのではないでしょうか。
中年男性が痩せにくい理由として以下の3つが挙げられます。
- 基礎代謝の低下
- 内臓脂肪がつきやすい
- 食事内容が若いころと変わらない
それぞれの理由について詳しく解説しましょう。
年齢とともに基礎代謝は低下する
基礎代謝とは、臓器などの活動に消費されるエネルギーです。
生命維持に必要なエネルギーで、身体を動かしていない状態でも消費されます。
基礎代謝は、年齢とともに低下する傾向にあります。
基礎代謝が低下すると、1日あたりの消費エネルギー量も減少。
消費エネルギー量が減少すれば、食事で摂取したエネルギーが余りやすくなります。
余剰分のエネルギーは、体脂肪として身体に蓄えられることに。

男性の基礎代謝は、おおむね10代にピークを迎えた後、徐々に低下していくため、中年になると痩せにくくなるのです。
男性は内臓脂肪型肥満になりやすい
肥満には、皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の2種類があります。
皮下脂肪型肥満とは、太ももや腰まわりなどの皮下脂肪が増えるタイプの肥満です。
主に下半身に脂肪がつくことから洋ナシ型肥満とも呼ばれます。
皮下脂肪型肥満は女性に多い傾向にあります。
一方、内臓脂肪型肥満は、内臓周りの脂肪が増える肥満です。
リンゴ型肥満とも呼ばれ、お腹が出た状態になるため太って見えることも。
内臓脂肪型肥満は、男性に多い傾向にあります。
加えて、内臓脂肪型肥満は、糖尿病や脂質異常のリスクを高める原因のひとつとして考えられています。
腹囲が85cmを超えている方は、メタボになっている可能性も。※1
「中年になってお腹が出てきた」という方は、健康のためにも内臓脂肪を減らした方がよいでしょう。
若いころと同じ食事をつづけている
若いころと同じ食事をつづけていると、太ってしまう可能性があります。
先に解説した通り、中年になると基礎代謝が低下します。
10代・20代の男性は基礎代謝が高いため、中年男性より太りにくいのです。
若いころは問題なかった食事内容でも、基礎代謝が低下した中年男性にとっては、高カロリーな食事になっているケースも。
中年になってから太りはじめた方は、食事内容を見直した方がよいかもしれません。
中年男性のダイエットは難しいのか?

先に中年男性が痩せにくい理由をご紹介しましたが、心配する必要はありません。
中年男性である筆者は、2ヶ月で4kg減量しました。
実際にダイエットしてみて難しいとは感じませんでした。
筆者のダイエット体験談をご覧になりたい方は、「30代男性が短期間でダイエットするには?2ヶ月で4kg減量した方法を紹介」をご覧ください。
どのような方法でダイエットするにせよ、摂取カロリーを消費カロリーより低く抑えれば、体重は減少します。
【体重と摂取カロリー・消費カロリーの関係】
摂取カロリー>消費カロリー→体重は増加
摂取カロリー<消費カロリー→体重は減少
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、身体は余ったエネルギー源を脂肪として身体に蓄えるため体重が増加します。
反対に、摂取カロリーが消費カロリーを下回ると、身体は不足分のエネルギーを補うために脂肪を燃料として使用します。
脂肪が減少するため、体重も減少するのです。
ダイエットの方法は、大きく3つに分けられます。
- 摂取カロリーを減らす
- 消費カロリーを増やす
- 上記2つを組み合わせる
食事管理がメインのダイエットは、摂取カロリーを減らす方法に該当します。
運動は、消費カロリーを増やすための手段です。
上記のいずれかの方法で、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを適切に調整すれば、中年男性でも無理なくダイエットできます。
本記事では、食事管理と運動を組み合わせた無理のないダイエット方法を解説しましょう。
中年男性が無理なくダイエットを成功させる計画の立て方

無理なくダイエットを成功させるには、ゆとりのある計画を立てることが重要です。
どのようにダイエットの計画を立てればよいのか解説します。
現状を把握して目標を立てる
これからダイエットをはじめる方は、体組成計を用意しましょう。
体組成計では体重だけではなく、体脂肪率や骨格筋率なども測定できます。
ダイエットというと体重にばかり注目しがちですが、体脂肪率も重要な指標です。
純粋な体重計では、体脂肪が減ったのか、筋肉量が減ったのか分からないのです。
ダイエットをはじめる前に、体重と体脂肪率を測定して現状を把握しましょう。
スマホと連携できる体組成計を利用すれば、手動で記録する手間を省けます。
具体的な目標を立てておくことも大切です。
体脂肪率が高い方は、標準体重を目標に設定するとよいでしょう。
減らすべきカロリーを算出
現状を把握できたら、現在の体重と目標体重との差をもとに減らすべきカロリーを算出しましょう。
【体脂肪を1kg減らすために必要なカロリー】
7,200kcal
体脂肪1kgを燃焼させるために必要なカロリーは7,200kcalです。
現在の体重と目標体重との差が10kgなのであれば、トータルで72,000kcal減らさなければなりません。
闇雲にダイエットに取り組むのではなく、自身の目標を達成するために、トータルで何kcal減らす必要があるのかしっかり把握しておきましょう。
自身の消費カロリーを把握する
消費カロリーのチェックには、フィットネストラッカーがおすすめ。
フィットネストラッカーは腕時計のように、手首に装着するデバイスです。
最近では、スマートウォッチとして使用できる製品も増えています。
ストラッカーを利用すれば、消費カロリーの推計値や心拍数、睡眠時間などを記録できます。
フィットネストラッカーを使用せずに、1日の消費カロリーの推計値を算出する方法については、「40代男性がダイエットする際のカロリーの決め方とは?ポイントを解説」をご覧ください。
ダイエットの期間と摂取カロリーの上限を決める
減らすべきカロリーと自身の1日の消費カロリーを把握したら、目標体重まで減量する期日を決めておきましょう。
期日を決めれば、1日の摂取カロリーを何kcalに設定すればよいのかを明確化できます。
5ヶ月で10kg減量する場合、減らすべき1日あたりのカロリーは以下の通りです。
【減らすべき1日あたりのカロリー】
72,000kcal÷150日=480kcal
自身の1日の消費カロリーが2,700kcalなのであれば、消費カロリーから480kcal減算した値が摂取カロリーの上限です。
【1日の摂取カロリーの上限】
2,700kcal-480kcal=2,220kcal
上記のケースでは、1日の摂取カロリーを2,220kcalより低く抑えれば、5ヶ月でおおむね10kg減量できるでしょう。
はじめてダイエットに取り組む方は、1~2週間のトライアル期間を設けることをおすすめします。
最初に立てた計画ではキツいと感じる場合は、無理せず目標達成までの期日を延長しましょう。
ダイエットの期間をより長く設定すれば、身体的・精神的な負担を軽減できます。
ゆるく減量に取り組みたい方は、ダイエットの期間を長く設定するとよいでしょう。
中年男性がダイエットを成功させるための食事管理方法

運動で消費カロリーを増やしても、消費する以上に高カロリーな食事をつづけていると痩せません。
中年男性がダイエットを成功させるには、適切な食事管理が不可欠。
食事管理の方法を解説します。
摂取カロリーをアプリで記録する
ダイエットを成功させるには、自身が食事でどの程度カロリーを摂っているのか把握しておく必要があります。
摂取カロリーの管理には、栄養管理アプリを活用しましょう。
アプリに食べたものを入力すれば、自動的にカロリーを算出してくれます。
摂取カロリーだけではなく、体重や体脂肪率も一緒に記録できるアプリも多いです。
無料で利用できる栄養管理アプリも多いので、ダイエットを始める前にインストールしておきましょう。
高タンパク・低糖質メニューが基本
ダイエット中は、高タンパク・低糖質な食事を心がけましょう。
タンパク質が不足すると、筋トレしても筋肉がつきにくくなるので注意が必要です。
一方で、糖質の摂り過ぎは体脂肪が増える原因になる場合があります。
最近は糖質を多く含む食品であふれているので、何も考えずに食事を摂っていると、いつの間にか糖質過多になっている可能性も。
ダイエット中は、意識的に糖質を抑えることが重要です。
タンパク質や糖質の摂取量も栄養管理アプリでチェックできます。
アプリによっては、各栄養素の摂取量の目安も示してくれるので便利です。
空腹対策も重要
食事の内容によっては、ダイエット中に空腹を感じることがあります。
ダイエット中は、空腹になる前に間食を摂りましょう。
無理に空腹を我慢すると、反動で食べ過ぎてしまう可能性があります。
ダイエット中に空腹を感じるようになったら、時間を決めて予防的に間食を摂ることをおすすめします。
ただし、1日の摂取カロリーの上限に収まる範囲に抑えることが重要です。
食物繊維を摂って血糖値の急激な上昇を防ぐ
食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする作用があります。※2
糖質を多く含む食品を食べると、血糖値が急激に上昇します。
血糖値が急激に上昇すると、脂肪がつきやすくなるため、ダイエット中は注意が必要です。
糖質は、米や麺類にも含まれているため、食事の際は食物繊維を摂るように心がけましょう。
「日本人の食事摂取基準2020年度版」では、18~64歳男性の食物繊維の目標摂取量は21g以上とされています。
食物繊維は不足しやすい栄養素です。
意識して食物繊維を多く含む食品を摂りましょう。
中年男性のダイエットにおすすめの筋トレ

先に解説したように、年齢を重ねるにつれて基礎代謝は低下します。
基礎代謝の内、22%は骨格筋によって消費されます。※3
筋トレで筋肉量を増やせば、基礎代謝を高められるのです。
中年男性のダイエットにおすすめの筋トレを3種目ご紹介しましょう。
スクワット
スクワットは、お尻や太もも、ふくらはぎなどの筋肉を鍛えられる筋トレです。
基礎代謝の向上を目的に筋トレする場合、大きな筋肉を鍛えると効率的。
下半身には大きな筋肉が集まっているので、スクワットはダイエットにおすすめです。
スクワットには、さまざまなバリエーションがあり、鍛えられる部位も若干異なります。
最初は、通常のスクワットからはじめるとよいでしょう。
プランク
プランクとは、うつ伏せの状態からつま先と前腕だけで体重を支える筋トレ。
全身の筋肉を鍛えられますが、中でも背中やお腹への負荷が大きい種目です。
プランクは動きがない反面、正しいフォームで取り組まなければ、効果を得られません。
かかとから背中にかけてのラインが、まっすぐな状態をキープするのがポイント。
クランチと比較すると、筋力がない方でも取り組みやすいです。
クランチ
クランチは、仰向けの状態から上体を起こす筋トレです。
クランチでは、主に腹直筋などのお腹周りの筋肉を鍛えられます。
腹直筋は、シックスパックとも呼ばれる筋肉。
ダイエット中に腹直筋を鍛えておけば、体脂肪率が減るにつれて、お腹に筋が見えてきます。
クランチに取り組む際は、反動を使わずに筋肉の力だけで上体を起こしましょう。
中年男性のダイエットにおすすめの有酸素運動

有酸素運動には、体脂肪を燃焼させる効果があります。
筋トレと併せて、有酸素運動に取り組めば、効率的に体脂肪を減らせるでしょう。
中年男性のダイエットにおすすめの有酸素運動をご紹介します。
ウォーキング
ウォーキングは有酸素運動の中でも、もっとも気軽に取り組める運動です。
ジョギングと比較して、時間あたりの消費カロリーは低いものの、運動が苦手な方でも取り組めるメリットがあります。
ウォーキングは、歩く速度によって負荷が変化します。
慣れてきたら、徐々に歩くペースを上げて負荷を高めるとよいでしょう。
有酸素運動全般にいえることですが、脂肪を燃焼するには20分以上運動を継続する必要があるとされています。
20分以上運動をつづけられるペースで歩きましょう。
ジョギング
ジョギングとは、ゆったりしたペースで走る運動です。
ジョギングは、ウォーキングよりも負荷の高い有酸素運動。
負荷が高いため、ウォーキングより時間あたりの消費カロリーも高いです。
ジョギングは、正しいフォームで取り組む必要があります。
ひざなどの特定の部位に高い負荷がかかると、ケガや不調の原因になることも。
姿勢を少し前傾させて、かかとから着地するよう心がけましょう。
サイクリング
サイクリングは、ウォーキングやジョギングよりも、ひざや足腰への負担が少ない有酸素運動です。
時間あたりの消費カロリーは、ウォーキングよりも高いため、「運動は苦手だができるだけ消費カロリーが高い運動に取り組みたい」という方におすすめ。
加えて、サイクリングには太ももの筋肉を鍛えられるメリットも。
ジョギングがつづかないという方は、サイクリングを検討するとよいでしょう。
中年男性がダイエットを成功させる3つのポイント

効率的に減量を進めるには、いくつかポイントを押さえておく必要があります。
中年男性がダイエットを成功させるための3つのポイントをご紹介しましょう。
【ポイント1】筋肉痛が残っている時は休もう
筋肉痛が残っている時は、無理せず休みましょう。
筋肉量を増やすには、傷ついた筋繊維の回復を待つ必要があります。
【超回復】
- 筋トレによって筋繊維が傷つく
- 筋繊維が修復される
- 筋繊維が以前よりも太くなる
筋肉は超回復を繰り返すことで、徐々に増えていきます。
超回復には、24~48時間ほど時間がかかるとされています。
筋肉痛が残っている状態で無理に筋トレしてしまうと、超回復を妨げてしまう可能性も。
筋トレしたら適度に休みましょう。
【ポイント2】糖質も適度に摂る
糖質の摂り過ぎは、体脂肪が増える原因になることがあります。
ダイエットを成功させるには、糖質の摂取量を管理しなければなりません。
一方で、糖質は身体を動かすエネルギー源として使用される重要な栄養素です
糖質を完全に断ってしまうと、疲れやすくなることも。
糖質が不足すると、十分に身体を動かせなくなってしまいます。
適度に糖質を摂ることも重要です。
【ポイント3】チートデイを設定しよう
チートデイとは、普段よりも高カロリーな食事を摂る日です。
ダイエットが順調に進むと、体重が下がりにくくなる期間に突入します。
食事管理によって摂取カロリーが減少すると、身体はエネルギーを節約しようとします。
消費カロリーが減少するため、体重が減りにくくなるのです。
一時的に高カロリーな食事を摂ると、身体は再び通常通りエネルギーを消費しはじめます。
停滞期に入ったら、1日だけ高カロリーなメニューを摂ってみましょう。
効率的にダイエットしたい中年男性におすすめのサービス

自身に合ったダイエット方法を見つけるには、ある程度試行錯誤する必要があります。
なかなか自身に合う方法が見つからずに、悩んでいる方も少なくありません。
自力でダイエットに取り組んでみたものの、なかなか体重が減らないという方は、プロの力を借りましょう。
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本気でダイエットを成功させたい方は「パーソナルトレーニングジム」
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食事管理の手間を省きたい方におすすめです。
ダイエットにおすすめの宅食については、「ダイエットにおすすめの宅食・宅配弁当サービス10選!選び方のポイントを解説」をご覧ください。
部分痩せしたい方には「メディカルダイエット」
お腹周りの脂肪を減らしたいと考える中年男性も多いのではないでしょうか。
食事管理や運動によるダイエットでは、特定の部位を狙って脂肪を減らすことはできません。
部分痩せを希望する方は、メディカルダイエットを検討しましょう。
メディカルダイエットは、医療機器や医薬品を利用したダイエットです。
医療機関が提供するサービスで、特定の部位の脂肪だけを減らすこともできます。
まとめ:中年男性のダイエットには生活習慣の見直しが不可欠

中年男性が、ダイエットを成功させるポイントや無理のない計画の立て方について解説しました。
記事の要点をまとめると以下のようになります。
- 年齢とともに基礎代謝が低下するため消費カロリーも減少する
- ゆとりのあるダイエット計画を立てる
- ダイエットを成功させるには食事管理が不可欠
- 運動で消費カロリーを増やす
ダイエットを成功させるには、無理なく継続できる計画を立てることが大切です。
食事管理や運動に取り組んで、生活習慣を見直しましょう。
参考