ダイエットするのであれば、できるだけ効率的に痩せたいと考えるのは自然なことといえるでしょう。
しかし、闇雲に食事を減らしたり、運動したりするだけでは効率的にダイエットすることはできません。
効果的に脂肪を落とす方法を理解した上で、ダイエットの計画を立てることが重要です。
そこで、男性向けに効率のいいダイエット方法を解説します。
食事・運動方法を15種類ご紹介するので、自身の体力やライフスタイルに合わせた方法を組み合わせて、効率のいいダイエットを目指しましょう。
Contents
男性が太ってしまう原因
効率的にダイエットするには、脂肪が増える原因を理解しておくことが大切です。
食事で摂取したエネルギー量は摂取カロリー、身体が消費するエネルギー量は消費カロリーと呼ばれています。
「摂取カロリー>消費カロリー」の状態では、食事で摂取したカロリーが余ることに。
身体が使い切れなかった分のエネルギーは、脂肪として身体に蓄えられます。
高カロリーな食事が日常化したり、運動不足になると食事で摂取したエネルギーが余り、太ってしまうのです。
反対に「摂取カロリー<消費カロリー」の状態では、不足分のエネルギーを補うために、身体に蓄えた脂肪を分解してエネルギーが作られるため脂肪は減少します。
また、飲酒やストレス、睡眠不足も脂肪が増える原因になることもあります。
効率的にダイエットを進めるには、生活習慣そのものを見直さなければなりません。
効率のいいダイエット方法は?
食事の摂取カロリーが身体の消費カロリーを大きく上回っていると、太るペースも速くなります。
効率的にダイエットするには、摂取カロリーを消費カロリーよりも極力抑えなければなりません。
効率よくダイエットするポイントを解説します。
摂取カロリーと消費カロリーの差を大きくする
身体の脂肪1kgを減らすには、約7,200kcalのカロリーを消費しなければなりません。
1ヶ月で脂肪を1kg落とすには1日あたり摂取カロリーを、消費カロリーより240kcal低く抑える必要があります。
摂取カロリーを消費カロリーよりどの程度低く抑えるかによって、減量のペースも変化するのです。
そのため、摂取カロリーを減らして消費カロリーを高めれば、効率的にダイエットを進められます。
運動と食事管理を組み合わせると効率的
運動と食事管理を組み合わせると効率的にダイエットできます。
摂取カロリーを減らすには、食事を管理しなければなりません。
消費カロリーを増やす方法としては、以下の2つが挙げられます。
【消費カロリーを増やす方法】
- 基礎代謝を高める
- 活動量を増やす
基礎代謝は、心臓や脳の活動などの生命維持に必要な活動に使用されるエネルギーです。
基礎代謝によって消費されるエネルギーの約20%は、骨格筋によって消費されます。
筋トレで筋肉量を増やすと、基礎代謝の向上が期待できるのです。
身体を動かすと活動量も増加するため、多くのエネルギーが消費されます。
ダイエット目的で身体を動かすのであれば、脂肪燃焼効果のある有酸素運動と筋トレの両方に取り組むことをおすすめします。
筋トレ×有酸素運動で消費カロリーをアップ
有酸素運動は、長時間続けることができる負荷の軽い運動です。
有酸素運動では、主に脂肪をエネルギー源として筋肉を動かすため、脂肪を減少させる効果があります。
一方、筋トレは無酸素運動に分類されるトレーニングです。
無酸素運動では糖からエネルギーを作り出すため、脂肪を減らす直接的な効果は期待できません。
しかし、筋トレなどの無酸素運動によって筋肉量が増えれば、基礎代謝も向上します。
有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、効率的に消費カロリーを高められます。
大きな筋肉を動かすには多くのエネルギーを必要とするため、基礎代謝の向上を目的に筋トレするのであれば、大きな筋肉を鍛えられる筋トレがおすすめです。
大きな筋肉は下半身に多く、お尻や太もも周辺には大きな筋肉が集まっています。
上半身を鍛えるのであれば、背中や肩、胸の筋肉を鍛えるとよいでしょう。
まずは、上記の大きな筋肉をバランスよく鍛えましょう。
男性のダイエットにおける効率のいい食事方法4選
ダイエットの効率化に食事管理が必要であることを先に解説しましたが、単純に食事の量を減らせばよいというわけでもありません。
食事の量を減らせば、確かに摂取カロリーも減らせますが、極端に量を減らしてしまうと空腹の反動で食べ過ぎてしまう可能性もあります。
また、疲れやすくなったり、筋肉がつきにくくなる原因になることも。
男性が効率よくダイエットするための食事方法をご紹介しましょう。
PFCバランスに配慮した食事メニュー
PFCバランスとは、3大栄養素の栄養バランスを指します。
【PFCとは?】
- Protein(タンパク質)
- Fat(脂質)
- Carbohydrate(炭水化物)
PFCバランスとは、タンパク質と脂質、炭水化物から得るエネルギーの割合のことです。
厚生労働省の「日本人の栄養摂取基準(2020年版)」では、PFCバランスの目安を以下のように設定しています。
18~49歳のPFCバランスの目安は、タンパク質が13~20%、脂質が20~30%、炭水化物が50~65%に設定されています。
50~64歳では、タンパク質の割合に若干の違いがあるものの、脂質と炭水化物は30~49歳と同じです。
上記のPFCバランスは、最初にタンパク質の目標量を設定した後に脂質の上限を設定し、残りを炭水化物の割合として設定されたものです。
ダイエット中の食事では、脂質や炭水化物の割合を抑え気味にして、タンパク質の割合を増やすとよいでしょう。
食物繊維が豊富な食品を取り入れる
食物繊維には、糖質の吸収を穏やかにする効果があります。
食物繊維を摂ることで、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。
血糖値が急激に上昇すると、脂肪がつく原因になることも。
また、食物繊維は消化されにくいため、ダイエット時の空腹感も軽減できます。
食物繊維は、きのこや海藻などに多く含まれていますが、これらの食品だけで必要な量を摂るのは容易ではありません。
玄米やオートミールなど、食物繊維を多く含む穀物と組み合わせて摂取するのがおすすめです。
よく噛んで食べる
食事をよく噛んでゆっくり食べると、食べ過ぎの予防になります。
労働者健康安全機構が実施した調査によると、隠れ肥満と診断された人の50%が「早食いである」と回答したとされています。※
人が満腹感を感じるまでには20分以上かかるため、よく噛まずに食べてしまうと必要以上に食べてしまう可能性があるのです。
よく噛むことで食事のペースがゆっくりになるほか、唾液の分泌量も増えて消化もよくなります。
また、同機構では、よく噛んで食べることを半年間継続した結果、体脂肪率が減少した事例もあったとしています。
食べ過ぎを防ぐためにもよく噛んでゆっくり食べましょう。
アルコールを控える
男性が効率のいいダイエットを実現するには、アルコールの量にも注意する必要があります。
アルコールの過度な摂取は肝臓に負担をかけるだけでなく、食物の脂肪分解を遅らせる可能性があります。
肝臓がアルコールを代謝している間は、食べ物から摂取したカロリーが消費されずに脂肪として身体に蓄えられやすくなるのです。
ワインやカクテルなど、糖質を多く含むお酒もダイエット中は避けたほうがよいでしょう。
加えて、アルコールを摂取すると食欲が増す傾向にあるため、ついつい食べ過ぎてしまうことも。
ダイエット中にお酒を飲む時は量を減らしたり、アルコール度数の低いものを選ぶなどして、アルコールの摂取量を減らしましょう。
【男性向け】効率のいいトレーニング11選
有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、効率的に消費カロリーを増やせることをご紹介しました。
「具体的にどのようなトレーニングに取り組めばよいのだろう?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
そこで、効率的にダイエットしたい方におすすめのトレーニングをご紹介します。
有酸素運動は、手軽に始められる種目から消費カロリーの高い種目の両方をご紹介するので、自身の体力に合わせた種目を選びましょう。
【有酸素運動】踏み台昇降
踏み台昇降は、段差を昇り降りする有酸素運動です。
負荷はそれほど高くないため、消費カロリーは高くありませんが、運動が苦手な方でも取り組みやすい運動です。
また、屋内でも取り組めるので、真冬や真夏でも快適な環境で運動できます。
踏み台昇降用のステップがない場合は、階段などを利用するとよいでしょう。
【有酸素運動】ウォーキング・ジョギング
有酸素運動といえば、ウォーキングやジョギングをイメージする方も多いのではないでしょうか。
ウォーキングは、ジョギングと比較すると時間あたりの消費カロリーは少ないです。
しかし、ウォーキングとジョギングの消費カロリーは、おおむね移動した距離に比例するため、必ずしもジョギングのほうが多くのカロリーを消費できるとは限りません。
体力に自信がない方はウォーキング、時間的な効率を優先する方はジョギングに取り組むとよいでしょう。
【有酸素運動】サイクリング
サイクリングでは脚の大きな筋肉を使用するため、多くのカロリーを消費できます。
また、ウォーキングやジョギングと比較すると、ひざへの負担が少ない点もサイクリングの特徴です。
電車や車から自転車での通勤・通学に切り替えれば、普段の生活の中に有酸素運動を取り入れられます。
運動の時間を確保するのが難しいという方は、自転車での通勤・通学を検討するとよいでしょう。
【有酸素運動】なわ跳び
なわ跳びも有酸素運動に分類されます。
なわ跳びでは全身の筋肉を動かすため、多くのエネルギーが消費されます。
そのため、ダイエットの効率化を目指す方におすすめの有酸素運動です。
一方で運動の負荷が高く、体力を消耗するので、運動不足の方はウォーキングなどの軽い運動である程度体力をつけてからなわ跳びに挑戦するとよいでしょう。
【有酸素運動】水泳
水泳もダイエットにおすすめの有酸素運動です。
水中では浮力が働くため、腰やひざへの負担を軽減しながらエネルギーを消費できます。
また、水中では体温を奪われるため、運動によるエネルギー消費だけではなく、体温維持のためのエネルギーも消費されます。
水中を歩くだけでも水の抵抗によって、地上でのウォーキングよりも多くのエネルギー消費が期待できます。
泳ぐのが苦手な方は、水中ウォーキングに取り組むとよいでしょう。
【筋トレ】ノーマルスクワット
ノーマルスクワットは、下半身の筋肉を効率的に鍛えられる筋トレです。
下半身の中でも特に大きな筋肉であるお尻の大殿筋や太ももの大腿四頭筋を鍛えられます。
スクワットでは大きな筋肉を動かすため、筋トレの中でも消費カロリーが高いことで知られています。
【ノーマルスクワットの手順】
- 足を肩幅と同じぐらい離して立つ
- ひざがつま先より前に出ないように、お尻を後ろに突き出しながら腰を下す
- 太ももと床が平行になったら腰を上げる
- ①の状態に戻る
スクワットにはさまざまなバリエーションが存在し、鍛えられる部位も異なります。
ダイエットのために筋トレを始めるのであれば、ノーマルスクワットから始めるのがおすすめです。
【筋トレ】ヒップリフト
ヒップリフトは、仰向けの状態からお尻を上げ下げする筋トレです。
お尻には大殿筋と呼ばれる大きな筋肉があります。
ヒップリフトは、大殿筋を集中的に鍛えたい方におすすめです。
【ヒップリフトの手順】
- 床に仰向けになり手のひらを腰のあたりで床につける
- 足を床についてひざを曲げる
- お尻を持ち上げる
- 再びお尻を下げる
お尻を上げた時に、首からひざまでのラインが直線になるよう意識しましょう。
また、お尻を下げたときに、床にお尻がつかないように注意しましょう。
【筋トレ】チンニング(懸垂)
チンニング(懸垂)では、上半身の大きな筋肉を鍛えらる筋トレです。
主に背中の広背筋や腕の上腕二頭筋を鍛えられます。
【チンニングの手順】
- 肩幅より手を離した位置で、バーを持ちぶら下がる
- ひざを曲げて足を少し上げる
- 腕を曲げてバーを胸に引き寄せるように身体を持ち上げる
- 腕をゆっくり伸ばしながら身体を下す
身体を下すときは、一気に下すのではなく、ゆっくりと下しましょう。
【筋トレ】マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは、腕で身体を支えながら足をリズムよく動かすトレーニングです。
お尻の筋肉や腹筋、腕の筋肉を鍛えられます。
加えて、足を動かし続けるため、有酸素運動のような脂肪燃焼効果が期待できる点もマウンテンクライマーの特徴です。
【マウンテンクライマーの手順】
- 床に腕をついて腕立て伏せの姿勢になる
- 片脚のひざを胸に引き寄せてもとの位置に戻す
- 反対の脚も同様に動かす
- 上記の要領で脚を交互にリズムよく動かす
マウンテンクライマーでは、1セットの回数を決めて運動するのではなく、30秒ほど動き続けます。
脚を動かす際に、体幹がブレないように注意しましょう。
【筋トレ】レッグレイズ
レッグレイズは、お腹の表面の筋肉を鍛えられる筋トレです。
仰向けの状態で脚を上げ下げします。
【レッグレイズの手順】
- 仰向けになり手のひらを腰の横あたりの床につける
- 両足を揃えた状態で持ち上げる
- 床と脚の角度が90度になる手前で止める
- ゆっくり脚を下げる
- 足が床につくギリギリのところで止める
レッグレイズでは、ひざをできるだけまっすぐな状態に維持することで負荷を高められますが、無理に伸ばす必要はありません。
有酸素運動と筋トレを同じ日に行う場合は、先に筋トレして身体を温めてから有酸素運動を始めると効率的な脂肪の燃焼が期待できます。
また、筋トレで筋肉を増やすには、限界まで追い込む必要があります。
1セットの回数を決めるのではなく、「これ以上動かせない!」というところまで続けましょう。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)
高強度インターバルトレーニング(HIIT)も効率のいいトレーニングです。
HIITとは、一定期間の高強度運動と低強度運動(または休憩)を交互に繰り返すトレーニング方法です。
HIITにはいくつかやり方がありますが、メジャーなやり方として20秒の高強度運動を10秒の休憩を交互に繰り返す方法が挙げられます。
例えば、ノーマルスクワット30秒→休憩10秒→腕立て伏せ30秒→休憩10秒マウンテンクライマー30秒といった具体で、複数の種目を組み合わせて行います。
HIITのメリットは、タイムパフォーマンスがいい点です。
高強度のトレーニングを行うと、身体が酸欠状態になるため、身体は運動後に通常よりも多くの酸素を取り込もうとします。
運動後も通常よりカロリー消費の高い状態が続くのです。
上記の現象はEPOC(運動後過剰酸素消費量)と呼ばれています。
HIITではEPOCによる運動後のカロリー消費が期待できるため、短時間の運動で多くのカロリーを消費できると考えられているのです。
運動の時間をあまりとれないという方は、HIITを取り入れると良いでしょう。
ただし、HIITでは一定時間全力で動き続けなければならないため、かなりの体力を必要とします。
運動不足の男性が、いきなりHIITを行うと身体を痛める可能性もあるので、まずは軽めのトレーニングで身体を慣らしましょう。
「3ヶ月以内に痩せたい!」「夏までにダイエットしたい!」など、効率を重視してダイエットを進めたい方は、プロのトレーナーのサポートを受けることをおすすめします。
運動と食事管理を組み合わせて効率的なダイエットを!
男性向けに効率のいいダイエット方法をご紹介しました。
記事のポイントをまとめると以下のようになります。
- 消費カロリーを高めて摂取カロリーを減らすと効率的
- 摂取カロリーは食事を管理して抑える
- 消費カロリーは有酸素運動と筋トレで高める
効率的にダイエットを進めるには、食事の管理と有酸素運動、筋トレを上手く組み合わせることが重要です。
一方で、効率化を優先するあまり、ダイエットがきつくなってしまい、途中でやめてしまっては元も子もありません。
できる範囲で効率化に取り組みましょう。
出典