30歳を過ぎたころから、お腹の出っ張りや体型が変化してくる「中年太り」が気になり始める男性はたくさんいます。中年太りになってしまうのにはいくつかの理由があります。中年太りを解消するには、原因を把握した上でダイエットに取り組むことが大切です。
この記事では、中年男性向けに、中年太りを解消する食事のポイントやダイエットを継続させるコツご紹介します。
Contents
中年太りの原因
「それほど食べていないのに太ってきた」「ダイエットをしてもなかなか効果が出ない」と感じている中年男性も少なくありません。中年太りになってしまうのにはいくつかの原因があります。
中年太りを解消するには、原因をしっかりと把握することが大切です。最初に、なぜ中年太りになってしまうのか、中年太りの原因からご説明します。
加齢による基礎代謝の低下
加齢によって基礎代謝が低下すると脂肪が燃焼されにくくなり、中年太りしやすくなります。「基礎代謝」とは、呼吸をしたり心臓を動かすなど、じっとしている状態でも消費するエネルギーのことです。基礎代謝が低下する理由の一つとして、筋肉量の減少が挙げられます。
基礎代謝は、15歳から17歳をピークに、年齢を重ねるごとにどんどん低下していきます。例えば、体重70kgの男性の場合、基礎代謝量の推定値は、20歳代で1,680kcal、50歳代になると1,505kcalまで低下します。つまり、若い頃と同じように食事を摂っていれば、中年になると太ってしまうのは当然です。
また、筋肉量が減ると体脂肪が燃えにくくなり、若い頃と同じ運動量でも太りやすくなってしまうのです。
カロリー過多な食事
カロリー過多の食事も、中年太りになる原因の一つです。消費カロリーよりも摂取カロリーが多くなると体脂肪が蓄積されます。仕事のストレスなどが原因で、食事の量が増える人も少なくありません。
加齢により基礎代謝が低下した状態で、カロリー過多の食事をしていると、消費が追い付かなくなり、脂肪がどんどん蓄積していきます。脂っこい食事や糖質を多く含む食事は、カロリーを摂りすぎる原因になるため注意しましょう。
お酒の飲み過ぎ
仕事の付き合いなどで、お酒を飲む機会が増える男性も多いです。お酒の飲みすぎも、中年太りの原因になります。
大量にアルコールを摂ると、身体はアルコールから得たエネルギーを、優先的に利用しようとします。そのため、一緒に食べた物から得たエネルギーはあまり消費されずに、脂肪として蓄積されてしまうのです。
さらに、飲酒と合わせて食べるおつまみも、中性脂肪の蓄積に影響します。アルコールには食欲を促進する作用もあるため、おつまなどを食べ過ぎてしまうケースも少なくありません。お酒の飲みすぎは中年太りだけではなく、生活習慣のリスクを高めるため、適度な飲酒量に抑えましょう。
中年太りを解消する食事のポイント
中年太りを解消するには、食事方法の改善が必要不可欠です。意識をするだけで改善に近づける、中年太りを解消する食事のポイントをご紹介します。
糖質の摂取量を適度に抑える
糖質の摂取量を適度に抑えることも、中年太りを解消する重要なポイントです。ご飯やパン、麺類などの炭水化物に含まれる「糖質」を摂り過ぎると、余った糖が中性脂肪に変化して蓄積されてしまいます。
糖質には血糖値を上昇させる働きがあります。糖質を多く摂ると、血糖値を下げるためにインスリンの分泌量が過剰になります。インスリンには血液中の糖分を脂肪に換える働きがあるため、分泌量が増えると脂肪が増える可能性も。
一方で、糖質は脂肪を燃やすためのエネルギー源でもあるため、過度な糖質制限は禁物です。主食を選ぶ場合には、「食物繊維」が豊富な玄米やライ麦パンなどがおすすめです。食物繊維には、糖質の吸収を抑える働きがあり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
就寝前の食事は避ける
就寝前の食事は、できるだけ避けることも大切です。睡眠中は消費エネルギーが減少するため、余分な糖質が脂肪として蓄えられる可能性があります。22時以降は、BMAL1と呼ばれる脂肪を蓄積しようとするタンパク質の分泌が増えることもあり、できれば20時くらいまでに夕食を済ませるのが理想的です。
また、就寝前に食事をすると、身体が消化活動を始めるため、睡眠不足になる可能性もあります。睡眠不足は、基礎代謝が低下する原因の一つであり、中年太りを解消するには、睡眠の質を良くすることも重要なポイントなのです。
仕事が忙しくて帰宅が遅くなる場合には、夕方の早い時間におにぎりなどを食べて空腹感を抑えておきます。そして、22時以降には、糖質や脂質が少なく、消化の良いスープや鍋などを摂るとよいでしょう。
タンパク質を含む食品を取り入れる
中年太りを解消するために、積極的に摂りたいのがタンパク質を含む食品です。タンパク質は、筋肉の材料になる栄養素であり、身体の大部分はタンパク質で構成されています。せっかく筋トレなどのトレーニングに取り組んでも、タンパク質が不足していると、筋肉量が増えない原因になる可能性があります。
筋肉は身体の中でも、消費するエネルギー量が多い組織です。同じ活動量でも筋肉が多いほど、消費カロリーも高くなります。中年太りを解消するには、筋肉を増やして脂肪を燃焼しやすい身体を作ることが重要です。脂肪が分解されやすくなれば、中年太りをしにくい身体になるでしょう。
早食いは避ける
食事を摂る際には、早食いは避けてよく噛んでゆっくり食べることを意識するのも重要なポイントです。ゆっくりとよく噛んで食べると、栄養の消化吸収も緩やかになり、血糖値の上昇が穏やかになります。インスリンの分泌も抑えられるため、脂肪が蓄積しにくくなるでしょう。
また、ゆっくりと時間をかけて食べると、満腹中枢が刺激されて、少量の食事でも満足感が得やすくなります。食べ過ぎの防止にもつながり、無理をしなくても食事の量が減らせます。
仕事に忙しい毎日を送っていると、つい早食いになってしまうかもしれません。しかし、気分を落ち着かせてゆっくりと食事をすることにはリラックス効果があり、気分転換にもつながります。中年太りしにくい身体を作るためには、食べ方に意識を向けることも大切です。
男性がダイエットを継続させる2つのコツ
男性が中年太りを解消するには、ダイエットを継続することが重要です。男性がダイエットを継続させる2つのコツをご紹介します。
目標設定と進捗管理
自分に合った目標を設定した上で、毎日体重を測定するなど、進捗管理をしながら取り組むのがダイエットを続けるコツです。
目標を設定することでモチベーションのアップにもつながります。曖昧な目標ではなく、具体的な数値目標を設定するのがポイントです。例えば、「お腹周りを5㎝減らす」「通勤時は1駅歩く」など、数値として設定するとわかりやすく、習慣化もしやすくなるものです。
ただ、最初から難易度が高い目標を設定するのは禁物です。まずは、達成しやすい目標を設定して
取り組むとよいでしょう。
自分の体重や体脂肪率をチェックして、身体の変化に意識を向けるのも大切です。体重を毎日計測していると、増える日もあれば減る日もあります。体重が変動した時には、その期間の行動を見直すきっかけにもなり、生活習慣の改善にもつながります。
ただし、1日単位の体重は、体内の水分量や腸管の内容物などによっても変化します。1週間や1ヶ月単位の体重を比較しましょう。
無理なく続けられる方法で減量する
無理なく続けられる方法で減量に取り組むのも、ダイエットを継続するコツです。中年太りを解消するには、摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やす必要があります。
しかし、摂取カロリーを減らしたいばかりに無理な食事制限をすると、ダイエットが長続きしないだけではなく、身体にさまざまな悪影響を及ぼします。日常生活に必要なエネルギーが不足し、集中力の低下や疲労感などの症状が現れる可能性も。また、食事制限の反動による食べ過ぎのリスクもあります。
「間食を控える」「お酒の量を減らす」「ゆっくり食べる」など、ちょっとしたことから始めてみると、無理なくダイエットを続けられるでしょう。自分の性格や生活スタイルに合わせた無理なく取り入れられる方法で、ダイエットに取り組むことが重要です。
中年太り解消には適度な運動も必要
食事管理だけでも、中年太りの解消は可能です。食生活を見直すことで、消費カロリーよりも摂取カロリーが少なくなれば、脂肪が蓄積されることはありません。
しかし、食生活の改善と併せて適度に運動を取り入れると、さらに効率的かつ健康的に減量できます。食事と同様に、運動も継続するのが重要なポイントとなるため、忙しくても続けられるような、手軽に取り組める運動を取り入れることをおすすめします。
例えば、「なるべく階段を使う」「1駅分歩く」「スクワットを毎日行う」などであれば、無理がありません。毎日の生活の中で身体を動かすことを心がけるだけでも、消費エネルギーはアップします。
運動の時間を確保できないという方は、日常生活で行っている普段の行動の中で、無理なくできる運動を取り入れるとよいでしょう。
男性の中年太り解消に食事管理は不可欠!
男性の中年太りを解消するには、食事管理がとても重要です。糖質を適度に抑えつつ、タンパク質を含む食品を取り入れて、ゆっくりとよく噛んで食べるのがポイントです。さらに、具体的な目標設定をした上で進捗管理を行い、無理のない方法で減量に取り組むことも重要です。
食事管理と合わせて適度に運動も取り入れれば、効果的かつ健康的に中年太りを解消できるでしょう。まずは、無理なく取り組める範囲で食事を見直しましょう。