ダイエットに取り組んでみたものの、「なかなか痩せない」「若い頃よりも痩せにくくなった」という人も多いのではないでしょうか。
50代になると基礎代謝の低下やテストステロンの減少によって、若い頃よりも痩せにくくなります。
50代の男性が痩せるためには、基礎代謝を高めて適切に食事のカロリーを管理することが重要です。
この記事では、50代の男性向けに痩せない8つの原因を詳しく解説します。
痩せるためのポイントも紹介するので、なかなか痩せられずに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
Contents
50代の男性が痩せない8つの原因
年齢に関わらず、運動不足や高カロリーな食事は、脂肪が増える原因になります。
食事や運動以外にも、中年男性特有の痩せにくい理由もあります。
【原因1】筋肉量の減少
50代男性が痩せない原因として、筋肉量の減少が考えられます。
筋肉量が減少すると基礎代謝も低下します。
基礎代謝とは心臓や脳の活動など、生命維持のために使用されるエネルギーのことです。
基礎代謝は、まったく身体を動かしていない状態でも消費されるエネルギーと言い換えることもできます。
基礎代謝が低下すると消費カロリーも減少するため、適切に食事のカロリーを調整しなければ、脂肪が増加する原因になります。
50代でダイエットを成功させるには、いかに基礎代謝を維持・向上できるかが重要なポイントといえるでしょう。
【原因2】テストステロンの分泌量の減少
テストステロンは、男性ホルモンの一種で男性らしい身体を形作る上で重要な役割を果たしています。
【テストステロンの働き】
- 筋肉・骨格の成長を促進
- 自信や決断力、活力の源
- 性欲の亢進
- 内臓脂肪の抑制
個人差はありますがテストステロンの分泌量は、30代ごろから緩やかに減少していきます。
また、ストレスが原因で分泌量が減少する場合もあります。
テストステロンが減少すると、筋肉が衰えて消費カロリーも減少します。
そのため、脂肪が増えやすく、痩せにくくなるのです。
また、テストステロンの減少は性欲減退のほか、意欲の低下や不安、不眠など、精神面にも影響を及ぼします。
【原因3】偏った食事
食事の問題が、痩せない原因になっていることもあります。
ダイエット中は、食事カロリーを抑えて適切な摂取量を維持するのが基本です。
摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合、余剰エネルギーが脂肪として蓄積されます。
ダイエットではカロリーだけでなく、食事の内容も重要です。
糖質の多い食事ばかり摂っていると、痩せにくくなります。
糖質の過剰摂取はインスリンの分泌を促すため、脂肪がつきやすくなります。
また、タンパク質不足は、筋肉量の減少や代謝機能の低下を引き起こし、痩せにくくなる原因に。
栄養バランスの良い食事もダイエットの成功に欠かせない要素です。
【原因4】運動不足による代謝の低下
運動の時間を確保するのが難しいという50代男性も多いでしょう。
運動不足は、全身の代謝機能を低下させることがあります。
代謝が低下すると、摂取した栄養素を効率的にエネルギーに変換できず、脂肪として蓄積されやすくなります。
食事のカロリーを適切に減らしているのにもかかわらず、痩せないという場合は、代謝が低下してる可能性も考えるべきでしょう。
また、適度な運動には脂肪を燃焼させる効果がありますが、運動不足になると脂肪燃焼の機会が減るため、内臓脂肪が蓄積されやすくなります。
運動する時間がないという人は、階段を利用したり、座っている時間を減らすなど、日常生活の中で活動量を増やす工夫をしましょう。
【原因5】ストレスの影響
ストレスが原因で痩せにくくなることもあります。
ストレスがたまると、人によって食べ物でストレス解消しようとする場合があります。
過食や間食が誘発され、摂取カロリーが増えてしまうのです。
ストレスが続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールには、エネルギーの補給を促す働きがあるため、食欲が増加し、脂肪の蓄積が促進されることがあります。
コルチゾールには、食欲を増加させる効果があるため、ドカ食いのリスクを高めます。
そのほか、ストレスがかかると自律神経が乱れ、消化機能や代謝を低下させてしまうことも。
見落とされがちなポイントですが、痩せるためにはダイエット中のストレス管理も非常に重要です。
【原因6】睡眠不足・質の低下
睡眠不足や睡眠の質の低下もダイエットの妨げになります。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、ダイエットに大きな影響を与える可能性があります。
【睡眠不足・質の低下がダイエットに与える影響】
- 代謝が低下し、痩せにくい体質になる
- ホルモンバランスが乱れ、食欲のコントロールが難しくなる
- ストレスが蓄積されやすくなる
- 運動時のパフォーマンスの低下
個人差はありますが、一般的に成人の場合、1日に7〜9時間の睡眠が必要とされています。
必要な睡眠時間は人によって異なりますが、すっきりとした気分で目覚められる睡眠時間を見つけることが重要です。
【原因7】アルコールの摂取量が多い
お酒が好きな人は、飲み過ぎに注意する必要があります。
アルコールは肝臓で分解されますが、飲酒によってアルコールが優先的にエネルギーとして使われるため、他の栄養素の代謝が遅れます。
つまり、おつまみとして食べたものから得たエネルギーが消費されにくくなるため、脂肪の蓄積を促進する可能性があるのです。
また、アルコールは食欲を増進させる作用がある上に、酔った状態では選んだ食べ物は高カロリーなものに偏りがちです。
アルコールを摂り過ぎると睡眠が浅くなり、疲労の回復を妨げる可能性もあります。
完全にお酒を断つ必要はありませんが、ダイエット中はアルコールの摂取量を適度に抑えましょう。
【原因8】遺伝・体質の影響
遺伝子によって、基礎代謝率や脂肪燃焼能力、食欲コントロールなどが影響を受ける場合もあります。
人の体重は、環境要因と遺伝要因の複雑な影響によって決まりますが、遺伝的要素によって、通常よりも痩せにくい体質になっているケースもあります。
双生児の遺伝子と体重を調査した研究では、体重の個人差を生じさせる原因の内、40~60%は遺伝的な要因によるものであるとされています。※
最近では、ECサイト上で肥満に関連する遺伝子を検査できるキットも販売されています。
商品にもよりますが上記のような検査キットでは、脂肪が月いやすい部位や食行動に関連する遺伝子などを検査できるものが多いです。
手を尽くしてみたものの、なかなか痩せないという場合は、ダイエット向けの遺伝子検査キットを利用してみるのも良いでしょう。
50代男性が痩せるためのポイント
ダイエットをはじめてみたものの、思うように痩せないという人も少なくありません。
先に紹介した通り、50代になると基礎代謝の低下が原因で痩せにくくなります。
50代の男性が痩せるためのポイントを解説します。
カロリーを摂り過ぎていないかチェック
カロリーを摂り過ぎていないかチェックしましょう。
若い頃と食事の量が同じでも、1日の消費エネルギーが減っていれば体重は増加します。
消費カロリーはフィットネストラッカーを利用すれば簡単にチェックできます。
また、基礎代謝基準値と体重、身体活動レベルをもとに、大まかな消費カロリーを算出することも可能です。
摂取カロリーは、栄養管理アプリを利用すればチェックできます。
アプリに食べたものを入力するだけで、カロリーを自動的に計算してくれます。
摂取カロリーが消費カロリーを上回っている場合、摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やさなければなりません。
筋トレで基礎代謝をアップさせる
基礎代謝は年齢とともに低下していきますが、筋トレで向上させることもできます。
基礎代謝の内、約20%は骨格筋によって消費されています。
体重70kg・体脂肪率20%の場合
出典:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム 厚生労働省
筋トレで筋肉の量を増やせば、基礎代謝も向上するのです。
基礎代謝を高めれば、ダイエットに成功した後も脂肪がつきにくくなります。
ダイエットに取り組むのであれば、筋トレも取り入れましょう。
有酸素運動で内臓脂肪を燃焼
内臓脂肪とは、腹腔につく脂肪のことです。
お尻や太もも、顔など、皮膚の下につく脂肪は、皮下脂肪と呼ばれます。
有酸素運動には、内臓脂肪を燃焼させる効果があります。
ウォーキングやサイクリング、縄跳びなど、負荷が軽く、長時間続けられる運動が有酸素運動です。
身体活動による消費カロリーは、筋肉が多い人ほど高くなる傾向にあります。
筋トレで筋肉量を増やすと、有酸素運動で消費するエネルギー量の向上も期待できるのです。
筋トレと並行して有酸素運動に取り組むことで、効果的に痩せることができるでしょう。
ストレスと上手に向き合う
ダイエット中は、多かれ少なかれストレスを感じるものです。
特にダイエットを開始した直後は、強いストレスを感じることも多いでしょう。
痩せるにはダイエット中のストレスと上手に向き合うことも大切です。
ストレス解消に効果的な方法をいくつかご紹介しましょう。
【ダイエット中のストレスを軽減する方法】
- 適度な運動
- 趣味に打ち込む
- 深呼吸や瞑想を取り入れる
- 十分な睡眠時間を確保する
適度な運動は代謝を高めるだけではなく、ストレスを軽減する効果もあります。
また、趣味に打ち込む時間を作るのも効果的です。
特に身体を動かす趣味であれば、活動量を高められるので脂肪も減らせます。
そのほか、深呼吸や瞑想、睡眠もストレス軽減に効果があります。
継続できるダイエットに取り組む
短期間で大幅に減量できたとしても、生活習慣をもとに戻せば、リバウンドでダイエット前よりも太ってしまう可能性があります。
ダイエット後の体型を維持するためには、消費カロリーと摂取カロリーのバランスを保つ必要があります。
ダイエットに終わりはないのです。
ダイエットの方法を考える際は、「痩せた後も無理なく同じ生活を続けられるか?」という観点も必要です。
一時的に痩せる方法ではなく、継続できる方法でダイエットに取り組みましょう。
ダイエットしても痩せない男性はここを見直そう
「ダイエットしているのに全然痩せない」という方もいるのではないでしょうか。
思うようにダイエットの成果が出ない場合は、以下のポイントを見直してみましょう。
- 運動の頻度
- 筋トレの種目
- 筋トレの回数
それぞれのポイントを解説します。
有酸素運動の頻度・時間
有酸素運動は、継続して取り組むことで効果を発揮します。
もちろん、1日運動するだけでも、しないよりはよいのですが、運動によって増やせるカロリーは、それほど高くありません。
そのため、有酸素運動の頻度が少なすぎると、なかなか効果を実感できないことも。
有酸素運動の頻度は、週5回を目標にしましょう。
また、まとまった有酸素運動の時間を確保できない場合は、1日の中で数回に分けて運動するのがおすすめです。
これまで有酸素運動は、20分以上継続しなければ効果がないといわれてきましたが、トータルの運動時間が同じであれば、脂肪の燃焼効果に差はないとする調査もあります。
連続で20分運動するのが時間的・体力的に難しい場合は、10分に分けて2回運動するとよいでしょう。
筋トレの種目
痩せるためには、筋トレの種目選びも重要です。
例えば、「お腹の脂肪が気になる」という理由で、腹筋運動ばかりしていても、効率的に脂肪を落とすことはできません。
効率的に筋肉を増やすには、大きな筋肉を鍛える必要があります。
腹筋はそれほど大きな筋肉ではないため、ダイエット目的で最初に取り組む筋トレとしてはあまりおすすめできません。
【大きな筋肉がある部位】
- 太もも
- お尻
- ふくらはぎ
- 背中
- 胸
大きな筋肉は、太ももやお尻など、下半身にあります。
背中や胸の筋肉も、上半身の中では比較的大きな筋肉です。
お腹周りを鍛えるのであれば、前面の筋肉だけではなく、インナーマッスルや側面の筋肉など、同時に複数の筋肉を鍛えられる種目を選ぶとよいでしょう。
ダイエットでは、上記のような大きな筋肉を優先的に鍛えましょう。
筋トレの回数
筋肉に強い負荷がかかると、筋繊維が太くなり、以前よりも強い負荷に耐えられるようになります。
つまり、筋肉を増やすには、一定以上の負荷を与える必要があるのです。
同じ回数で筋トレを続けていると、負荷に慣れて徐々に筋肉が増えなくなっていきます。
筋トレの回数はあくまでも目安であり、しっかりと追い込むことが重要です。
筋トレに慣れてきたら、1セットあたりの回数を増やすか、セット数を増やすなどして、筋肉を追い込みましょう。
それでも痩せない50代男性にはパーソナルトレーニングジム
運動や食事管理に取り組んでも、なかなか痩せないという人も少なくありません。
どうしても痩せないという人は、パーソナルトレーニングジムの利用も検討しましょう。
パーソナルトレーニングジムとは、専属のトレーナーによるサポートを受けられるジムです。
通常のジムとは異なり、トレーニングマシンを独り占めできるほか、トレーニング中はトレーナーがマンツーマンでサポートします。
利用者一人ひとりに合わせたトレーニングプランを作成するので、効率的にダイエットできます。
なかなか痩せない50代男性は運動と食事を見直そう
50代男性が痩せない原因と痩せるためのポイントを解説しました。
最後に記事の要点をまとめておきましょう。
- 50代になると基礎代謝が低下するため痩せにくい
- 基礎代謝は筋トレで向上する
- 有酸素運動を取り入れると効率的に脂肪を減らせる
- 糖質の摂り過ぎに注意
消費カロリーを増やして、摂取カロリーを適切に管理すれば、徐々に痩せていきます。
無理に短期間で痩せようとすると、ダイエットに挫折してしまうこともあります。
過激なダイエットは、体調不良やケガの原因になることも。
継続的に取り組めるレベルのダイエットで、緩やかに減量しましょう。
参考
※ Peter M. Visscher et al. Five Years of GWAS Discovery. Am. J. Hum. Genet 90, 7-24 (2012) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3257326/