胸のたるみは、女性だけの悩みではありません。カロリーの摂り過ぎや筋肉の減少、活動量の低下などによって脂肪が増えると、男性の胸たもるんでしまいます。胸のたるみを解消して、男らしい引き締まった体型を作るには、効果的な筋トレをダイエットに取り入れることが大切です。
この記事では、胸のたるみが気になる男性に向けて、たるみの原因や鍛えるべき部位、胸のたるみの解消に効果的な筋トレについて詳しく解説します。
Contents
男性の胸のたるみの原因
胸のたるみは、女性だけではなく、多くの男性も抱えている身体の悩みの一つです。
男性の胸がたるむ原因は、胸の皮下脂肪の増加です。胸のたるみを解消するには、原因をしっかりと理解しておくことが大切です。まずは男性の胸のたるみの原因についてご説明します。
カロリーの摂り過ぎ
食べ過ぎや飲み過ぎなどによるカロリーの摂り過ぎは、男性の胸がたるんでしまう原因になります。摂取カロリーが消費カロリーを上回っている状態では、余分なエネルギーが脂肪として蓄えられます。結果的に胸の脂肪も増えてしまうのです。
ある程度の年齢になると、仕事の付き合いで飲む機会が増えたり、仕事が忙しく、遅い時間に夕食をとらざるを得ないという人も少なくありません。その結果、全身の脂肪が増え、胸がたるんでしまうのです。
筋肉の減少
運動習慣がない場合、年齢とともに筋肉は減少していきます。胸の筋肉も例外ではありません。筋肉の減少も胸がたるんでしまう原因の一つです。
筋肉量が少なくなると、基礎代謝が低下します。また、同じ運動をしていても筋肉が多い人のほうが活動代謝も高くなります。代謝が低下するということは、消費カロリーが低下し、脂肪がつきやすくなるということです。
男性の胸のたるみを解消するには、筋トレなどの無酸素運動で筋肉量を維持・増加させて、代謝の低下を抑えることも重要です。
活動量の低下
活動量の低下は、消費カロリーの減少につながります。活動量が減ったのにもかかわらず、若い頃と同じ食生活をしていれば、摂取したエネルギーが余って身体に蓄えられてしまうのは当然です。
胸のたるみの解消はもちろん、身体全体の脂肪の蓄積を防ぐためには、ジョギングなどの有酸素運動などで活動量を高める必要があります。運動する時間を確保するのが難しい人は、座る時間を減らしたり、徒歩で通勤するなどして普段の生活の中で活動量を増やすとよいでしょう。
胸のたるみを解消するのは簡単ではない
胸の脂肪は「皮下脂肪」であるため、落とすのは簡単ではありません。皮下脂肪は徐々に蓄積されていく一方で、落とすには時間がかかります。
身体の脂肪には、内臓周辺につく「内臓脂肪」と、皮膚の下の組織につく「皮下脂肪」の2種類があります。ダイエットを始めると、内臓脂肪のほうが先に消費され、内臓脂肪が少なくなってくると皮下脂肪が徐々に減少していきます。
そのため、胸のたるみを解消するまでには、時間がかかるのです。効率的に胸のたるみを解消するためにも、鍛えるべき部位を把握した上で筋トレに取り組む必要があります。
胸のたるみを解消したい男性が鍛えるべき部位
胸のたるみを解消するには、脂肪がつきにくく、脂肪が燃えやすい身体を作る必要があります。
効果的に胸の脂肪を減らすのであれば、じっとしている時にも消費されるエネルギーである「基礎代謝」や、身体を動かす時に消費されるエネルギーである「活動代謝」の向上が期待できる部位を鍛えるのがおすすめです。
胸のたるみ解消するために、男性が筋トレで鍛えるべき部位をご紹介します。
胸の筋肉
胸には「大胸筋」と呼ばれる大きな筋肉があります。
大胸筋を鍛えると、代謝が上がりやすくなり、カロリーの消費を助けてくれます。余分な脂肪を効率良く落とせるようになるので、効果的に胸を引き締められるでしょう。また、大胸筋が発達すると、厚い胸板の男らしいボディラインも手に入ります。
ただし、胸の筋肉だけを鍛えるのではなく、全身の大きな筋肉を鍛えたほうが皮下脂肪を落としやすくなります。
お尻・太もも・背中の筋肉
お尻の大部分を占めている「大殿筋」、太ももの前側にある「大腿四頭筋」、背中から腰に広がっている「広背筋」も大きな筋肉です。鍛えると基礎代謝や活動代謝の向上が期待できます。
基礎代謝や活動代謝は、筋肉が多いほど向上するため、なるべく大きな筋肉を鍛えたほうが効果的に代謝を高められます。お尻・太もも・背中の筋肉は、身体の中でも特に大きな筋肉なので、胸のたるみを解消したいのであればぜひとも鍛えておきたい部位といえるでしょう。
男性の胸のたるみを解消する筋トレ5選
自宅で取り組める胸のたるみの解消におすすめの筋トレを5種目をご紹介します。
ひざつきプッシュアップ
「ひざつきプッシュアップ」は、ひざをついて行うプッシュアップ(腕立て伏せ)です。一般的なプッシュアップよりも負荷が軽いため、筋力がない人や腕立て伏せが苦手な人はひざつきプッシュアップから始めるとよいでしょう。
【ひざつきプッシュアップのやり方】
- 四つん這いの姿勢でひざだけを床につけ、ひざから下は浮かせる
- 肩幅よりも大きめに手を広げ、肩の下につける
- 背中を丸めずに、息を吸いながら身体をゆっくりと下げていく
- 限界まで下げたら、1秒間停止する
- 息を吐きながら、手の平で床を押しながら身体を上げていく
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。正しいフォームで、胸の筋肉に負荷がかかっていることを意識しながら行うのがポイントです。顔を前に向けながら行うと、背筋をしっかりと伸ばせます。
ノーマルプッシュアップ
「ノーマルプッシュアップ」は、一般的な腕立て伏せです。大胸筋はもちろん、体幹の筋肉も鍛えられます。
【ノーマルプッシュアップのやり方】
- うつ伏せで寝転がる
- 両手を両肩より少し広めに離して構える
- 首からかかとまで一直線になるようにして、身体を持ち上げる
- 息を吸いながら、身体をゆっくりと下ろしていく
- 限界まで下げたら、1秒間停止する
- 息を吐きながら、身体を持ち上げる
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。腰を落とさずに、身体がまっすぐの姿勢をキープして行うのがポイントです。身体を押し上げた後に顎を少し引いた状態にすると、大胸筋により刺激が与えられます。
ナロープッシュアップ
「ナロープッシュアップ」は、ノーマルプッシュアップよりも手の幅を狭くして行う腕立て伏せです。ノーマルプッシュアップよりも、腕や肩回りの筋肉に強い負荷を与えられます。
【ナロープッシュアップのやり方】
- 床に手をついて四つん這いになる
- 両手を肩幅よりも狭い幅にして床につき、脇を締める
- ひざを伸ばして、首からかかとまで一直線になるようにして身体を持ち上げる
- 脇を締めて息を吸いながら、身体をゆっくりと下ろしていく
- 限界まで下げたら、1秒間停止する
- 息を吸いながら、身体を持ち上げる
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。動作中は、常に身体がまっすぐの状態になるよう意識するのがポイントです。身体を下ろす時には、ゆっくりとしたスピードで反動を使わずに行うと効果的に鍛えられます。
デクラインプッシュアップ
「デクラインプッシュアップ」は、ベンチや椅子などに足をのせて、頭の位置を低くして行う腕立て伏せです。ノーマルプッシュアップよりも負荷が高く、大胸筋により強い刺激を与えられます。
【デクラインプッシュアップのやり方】
- ベンチや椅子などに両足をのせる
- 両手を肩幅に広げて床につく
- 息を吸いながら、身体をゆっくりと下ろしていく
- 限界まで下げたら、1秒間停止する
- 息を吐きながら、身体を持ち上げる
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。常に身体を一直線にキープして、両手の幅を広げすぎず、腹筋に力をいれて行うのがポイントです。足を高くすると、さらに負荷が高められます。
ダンベルベンチプレス
「ダンベルベンチプレス」はダンベルを使った筋トレで、大胸筋を鍛えるのに効果的です。胸に厚みを出して、男らしい胸板作りが目指せます。
【ダンベルベンチプレスのやり方】
- ダンベルを持ってベンチに寝る
- ダンベルを胸の横に持ち、肩甲骨を寄せながら胸を張る
- 息を吐きながら、ひじが伸びるまでダンベルをまっすぐに持ち上げる
- 息を吸いながら胸を張った状態を維持して、ダンベルをゆっくりと下ろしていく
10回を1セットとして、3セットを目安に行います。腰を浮かせないで、手首をまっすぐにして左右同時に押し上げるのがポイントです。慣れるまではダンベルの重量をあげることよりも、正しいフォームで行うことを意識しましょう。
代謝を高める筋トレ5選
先述の通り、胸のたるみを解消するには代謝を高めて脂肪が燃えやすい身体を作ることも大切です。代謝を高めるのに効果的な、おすすめの筋トレ5選をご紹介します。
スクワット
「スクワット」は、下半身の大きな筋肉をバランスよく鍛えられる筋トレです。自宅でいつでも手軽に取り組める上に、効率良く筋肉量を増やして代謝を高められます。
【スクワットのやり方】
- 足を腰幅に開き、つま先とひざを同じ向きにする
- 息を吸いながら、お尻を後ろに付き出すようにして、股関節を曲げてゆっくりとしゃがんでいく
- 太ももと床が平行になるまで下ろしたら、息を吐きながらゆっくりと元の姿勢に戻る
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。しゃがんむ時には、ひざがつま先よりも前に出ないようにするのがポイントです。お尻の筋肉と腹筋に力を入れると、背筋がまっすぐに伸び、良い姿勢を保ちながら行えます。
ランジ
「ランジ」は、足を前後に開いて腰を下げる筋トレです。下半身の複数の筋肉を効果的に鍛えられます。動作中の姿勢を安定させる必要があるため、スクワットよりもお尻の筋肉を鍛えられる点がランジの特徴です。
【ランジのやり方】
- 片足を前に出して脚を前後に開く
- 上体をまっすぐにしたまま、前のひざが90度になるまで曲げる
- ひざを伸ばしながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
- 反対側の足も同様の要領で交互に行う
片足10~15回を1セットとして、3セットを目安に行います。動作中は、背中を丸めずにまっすぐに保ちながら行うのがポイントです。前に出した足が90度になるまでしっかりと曲げると、しっかりと刺激を与えられます。
懸垂
「懸垂」は、上半身の大きな筋肉である広背筋を鍛えられる筋トレです。上腕二頭筋なども鍛えられるので、効率良く筋肉を増やせるでしょう。代謝を高められるのはもちろん、体幹部の筋肉も鍛えられるので姿勢の改善も期待できます。
【懸垂のやり方】
- 手幅を肩幅よりも広めに離して鉄棒にぶら下がる
- 鉄棒を身体に引き寄せるようにして、身体を持ち上げる
- 顔が鉄棒の高さまで来たら、元の位置に戻す
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。反動を使わずに、胸に鉄棒を近づけながら、身体をまっすぐに上げるのがポイントです。懸垂ができない場合は、足を地面に着いた状態で行う斜め懸垂からはじめることをおすすめします。
マウンテンクライマー
「マウンテンクライマー」は、有酸素運動的な要素もある、消費カロリーが高い筋トレです。お尻やお腹など身体全体の引き締め効果が期待でき、自宅でも手軽に行えます。
【マウンテンクライマーのやり方】
- うつ伏せの状態で両手を床につき、腕立て伏せの姿勢をとる
- 走っている時のように片方のひざを胸まで寄せる
- 寄せた脚を元に戻す
- 同様の要領で反対側の膝を寄せて元にもどす
- 上記の動作を素早く繰り返す
30秒間を1セットとして、3セットを目安に行います。お尻を高く上げないように、肩と同じ高さになるように意識して行うのがポイントです。リズミカルに同じ動作を繰り返しましょう。
バーピージャンプ
「バービージャンプ」は、胸や太もも、お尻などの大きな筋肉が鍛えられる筋トレです。全身の筋肉を鍛えられる上に、消費カロリーも高いので脂肪の燃焼も期待できます。
【バーピージャンプのやり方】
- 肩幅に足を広げ、両手を床につけてしゃがむ
- 両手を床につけたままジャンプをし、両足を後ろに伸ばして腕立て伏せの姿勢をとる
- 再びジャンプして、足を元の位置に戻す
- 両腕を上に伸ばして、高くジャンプする
10回を1セットとして、慣れたらセット数を増やしていきます。足を限界まで伸ばし、できるだけ高く飛び、動きが小さくならないように注意しましょう。慣れるまでは、ゆっくりとしたスピードでフォームを確認しながら動きましょう。
気になる胸のたるみは筋トレで解消しよう!
胸のたるみを解消するには、基礎代謝・活動代謝の向上が期待できる筋トレを、ダイエットに取り入れることが大切です。
胸の筋肉だけではなく、お尻や太もも、背中の大きな筋肉を鍛えれば、胸のたるみのない、引き締まった男らしい身体を手に入れられるでしょう。