「20代の頃と同じように生活しているのに、30代になってからお腹が出てきた」と悩む男性は少なくありません。
30代になると基礎代謝が低下するため、20代よりも太りやすくなるのです。
また、「食事を減らしたのに痩せない」というケースも。
30代の男性が痩せない原因は、基礎代謝の低下だけではありません。
この記事では、ダイエットしているのにもかかわらず、30代の男性が痩せない原因について解説します。
なかなか痩せないと悩む男性向けに対処法や改善方法も紹介するので、ぜひご覧ください。
Contents
30代の男性が痩せない7つの原因
30代の男性が痩せない主な原因を7つご紹介します。
【原因1】基礎代謝の低下
30代に入ると基礎代謝が低下し、消費カロリーが減少するため痩せにくくなります。
基礎代謝とは、生命活動の維持に必要な最低限のエネルギーのことです。
年齢 | 基礎代謝基準値 (kcal/kg 体重/日) |
参照体重 (kg) |
基礎代謝 (kcal/日) |
---|---|---|---|
10~11 | 37.4 | 35.6 | 1,330 |
12~14 | 31.0 | 49.0 | 1,520 |
15~17 | 27.0 | 59.7 | 1,610 |
18~29 | 23.7 | 64.5 | 1,530 |
30~49 | 22.5 | 68.1 | 1,530 |
50~46 | 21.8 | 68.0 | 1,480 |
65~74 | 21.6 | 65.0 | 1,400 |
75以上 | 21.5 | 59.6 | 1,280 |
表のように、基礎代謝は10代をピークに下がりはじめます。
年齢が高くなるにつれて、基礎代謝が低下する主な原因は骨格筋量の減少です。
加えて、臓器の代謝も加齢によって下がると考えられています。
30代になると消費するエネルギーの量が減るため、太りやすくなるのです。
【原因2】30代男性の80%以上が運動不足
運動には、脂肪燃焼やカロリーを消費する効果があります。
しかし、厚生労働省の調査によると、運動習慣があると答えた30代の男性の割は14.7%とされています。
出典:身体活動・運動を通じた健康増進のための厚生労働省の取り組み 厚生労働省健康局健康課
運動習慣あるの人の割合が、もっとも少ない年代が30代です。
運動不足になると消費エネルギーが少なくなるため、太りやすくなります。
特に内臓脂肪型肥満になりやすく、お腹が出てくるのです。
加えて、運動していないと筋肉量も減少するため基礎代謝が下がり、ますます太りやすい身体に。
運動不足も30代の男性が痩せない原因になっているのです。
【原因3】カロリーの摂り過ぎ
30代の男性が痩せない理由として、カロリーの摂り過ぎも挙げられます。
消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ、体重が増えてしまいます。
社会人であれば、仕事の付き合いで外食の機会もあるでしょう。
料理が美味しいと、高カロリーなメニューを食べ過ぎてしまうことも。
30代になると、基礎代謝の低下によって消費カロリーが少なくなった分、摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしやすくなっているのです。
【原因4】偏った食習慣
偏った食習慣が太ってしまう原因になることも。
ダイエットを意識しはじめると、食事のカロリーが気になってしまうものです。
カロリーを意識するあまり、栄養が偏ってしまうケースも。
例えば、タンパク質が不足すると筋肉も減りやすくなります。
結果的に基礎代謝が下がり、太りやすい身体になるのです。
ダイエットにおいて、カロリーのコントロールは不可欠ですが、バランスのとれた食事をとることも大切です。
【原因5】不規則な生活リズム
不規則な生活リズムは、体内時計の乱れを引き起こし、代謝機能が低下することがあります。
代謝機能が低下すると、食べたものがエネルギーとして消費されず、脂肪として蓄積されやすくなります。
また、不規則な生活リズムは、睡眠の質を低下させる原因になることも。
睡眠にはいくつかの段階がありますが、特に深い睡眠の段階で成長ホルモンが最も多く分泌されます。
成長ホルモンが分泌されることで、筋肉や組織の修復、脂肪燃焼が効率的に行われます。
しかし、成長ホルモンの分泌が低下すると、疲労回復が遅れるだけでなく、筋肉量の減少や脂肪燃焼の低下が起こり脂肪がつきやすくなるため注意が必要です。
【原因6】ストレスによる影響
ストレスが高まると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールには、ストレス状況下で迅速にエネルギーを身体に供給するために、糖質の生成を促進し、血糖値を上昇させる働きがあります。
長期的には食欲の増加や脂肪の蓄積を促進する働きがあるため、ストレスが続くとコルチゾールの分泌が過剰となり、体重増加や肥満につながる可能性があります。
また、ストレスがかかると、甘いものや脂肪分の多い食品を食べたいという欲求が強くなることも。
糖質や脂質を多く含む食べ物には、一時的にストレスを軽減する効果があるため、ストレスを感じると、高カロリーな食べ物に手を伸ばしやすくなります。
【原因7】睡眠不足
睡眠不足は、食欲を調節するホルモンであるレプチンとグレリンのバランスを乱すことがあります。
レプチンは食欲を抑制し、満腹感を感じさせるホルモンです。
睡眠不足ではレプチンの分泌が減少します。
一方、グレリンは食欲を刺激するホルモンで、睡眠不足時には分泌が増加することがあります。
そのため、食欲を調節するホルモンのバランスが崩れると食欲が増進し、過食につながる可能性があります。
また、睡眠不足によって、インスリン感受性が低下することがあります。
インスリンは血糖値を調節し、エネルギーとして利用されるために必要なホルモンです。
インスリン感受性が低下すると、血糖値のコントロールが困難になり、脂肪の蓄積が促進されることがあります。
ダイエットしても痩せないときの対処法・改善方法
ダイエットしているのになかなか痩せないという方は、摂取カロリーが高いか、消費カロリーが少なくなっていると考えてよいでしょう。
身体についた脂肪を落とすには、運動や食事習慣の見直しはもちろん、生活リズムを整えることも大切です。
生活習慣の乱れは必要以上に食欲を高めたり、睡眠の質を低下させる原因になります。
痩せるためには生活習慣全体を見直す必要があるのです。
男性向けに痩せないときの対処法・改善方法をご紹介しましょう。
筋トレで基礎代謝を高めよう
人が1日に消費するエネルギーの内、運動や日常生活での身体活動で消費するエネルギーは30%ほどです。
- 基礎代謝量:約60%
- 食事誘発性熱生産:約10%
- 身体活動:約30%
一方、基礎代謝は約60%と半分以上を占めています。
基礎代謝によるエネルギーは、運動しなくても消費されるため、基礎代謝が高い人ほど太りにくいのです。
安静時の臓器・組織別にみたエネルギー消費量の内、22%は骨格筋が占めています。
臓器・組織 | 重量 (kg) |
エネルギー代謝量 | 比率 (%) |
|
---|---|---|---|---|
(kacal/kg/日) | (kcal/日) | |||
全身 | 70.0 | 24 | 1,700 | 100 |
心臓 | 0.33 | 440 | 145 | 9 |
骨格筋 | 28.0 | 13 | 370 | 22 |
脂肪組織 | 15.0 | 4.5 | 70 | 4 |
肝臓 | 1.8 | 200 | 370 | 21 |
脳 | 1.4 | 240 | 340 | 20 |
腎臓 | 0.31 | 440 | 137 | 8 |
その他 | 23.16 | 12 | 277 | 16 |
体重70kg・体脂肪率20%の場合
出典:特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム 厚生労働省
筋トレで筋肉量を増やすことも、基礎代謝を上げる方法として有効です。
筋肉量が多い人ほど、基礎代謝で消費するエネルギーも多くなります。
そのため、筋トレで筋肉量を増やすと、ダイエットで脂肪を減らすペースを速められます。
ダイエット目的で筋トレに取り組む場合は、大きな筋肉を鍛えると効果的です。
大きな筋肉として、大腿四頭筋やハムストリング、大殿筋などが挙げられます。
ダイエットに取り組む際は、ぜひ筋トレも取り入れましょう。
有酸素運動で脂肪を燃焼
有酸素運動には、脂肪を燃焼させる効果があります。
人が体内でエネルギーを作り出す方法は、有酸素エネルギー代謝と無酸素エネルギー代謝の2種類。
代謝の種類によっては、メインのエネルギー源は異なります。
無酸素エネルギー代謝では主に糖質が消費されるのに対し、有酸素エネルギー代謝の主なエネルギー源は脂肪です。
有酸素運動の例として、以下のような運動が挙げられます。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- エアロビクス
- サイクリング
- ボクササイズ
有酸素運動をはじめて20分ほど経つと、脂肪が消費される比率が高まります。
ダイエットでは、有酸素運動で脂肪を燃やしつつ、無酸素運動で筋肉を付けることも大切です。
ダイエットにおすすめの運動を知りたい方は、関連記事をご覧ください。
痩せるには食事のとり方も大切
「ダイエットは食事が8割、運動が2割」と言われるほど、食事の管理は重要です。
ダイエットに適した食事の摂り方について解説します。
低カロリーなメニューに置き換える
ダイエットでは、カロリーを管理することが大切です。
脂質や糖質の摂り過ぎは太る原因になります。
唐揚げをやめて刺身にするなど、カロリーの低いメニューを選びましょう。
しかし、カロリーだけを気にして必要な栄養が不足すると、ダイエットに失敗してしまう可能性も。
たんぱく質が不足していれば、筋トレしてもなかなか筋肉は増えません。
食事の内容によっては、トレーニングの効果が半減してしまう恐れもあります。
単純に食事の量を減らすのではなく、カロリーを減らすことを意識してメニューを選びましょう。
食物繊維が多い食材を選ぶ
食物繊維が多い食材を摂りましょう。
食物繊維が多く含まれる食品は、噛む回数が多くなるため満腹感を得やすく、食べ過ぎを抑制する効果が期待できます。
食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分けられます。
不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 | |
---|---|---|
作用 |
|
|
多く含まれる食品 |
|
|
食物繊維は意識して摂らなければ、不足しやすい傾向にあります。
不溶性か水溶性かによって作用が異なるため、両方をバランスよく摂ることが大切です。
低GI食品を選ぶ
GI(Glycemic Index)とは、血糖値の上がりやすさを示す指標です。
GIが高い食品ほど糖質が吸収されやすいため、血糖値が急激に上昇しやすくなります。
反対に、GIが低い食品は血糖値が緩やかに上昇します。
- GI70以上:高GI食品
- GI56~69:中GI食品
- GI55以下:低GI食品
一般的にGIが70以上の食品は高GI、40以下の場合は低GIとされています。
血糖値が急激に上昇すると脂肪を作り、分解を抑制するインスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
インスリンが大量に分泌されると、脂肪がつきやすくなるため太る原因に。
特に穀物や麺類など炭水化物を摂る際は、GIを意識しましょう。
炭水化物を多く含むの中でも、低GI食品として次のような食品が挙げられます。
- 玄米
- ライ麦パン
- サツマイモ
ダイエットに取り組む際は、低GIの食品を選びましょう。
調理方法にも気を配る
調理方法にも気を配りましょう。
痩せるためには食品選びだけではなく、調理方法も大切です。
食材のカロリーが低くても、揚げ物にするとカロリーが高くなってしまいます。
カロリーの少ない調理方法
生食<ゆでる<焼く<揚げる
揚げるよりは焼く、焼くよりはゆでるといった風に、極力油を使わない調理方法を選びましょう。
生活リズムを整える方法
不規則な生活は睡眠を妨げ、自律神経の働きを乱す原因になります。
生活リズムを整える方法をご紹介しましょう。
朝食を抜かない
朝食は必ず摂りましょう。
朝食を抜くと、日中の活動に必要なエネルギー源が不足し、脳の活動が低下してしまいます。
日中の活動が低下すると、夜の睡眠に影響を与える可能性も。
快眠できるように、朝食を抜くのはやめましょう。
日光を十分に浴びる
生活リズムを整える方法として、日光浴も効果的です。
光には、体内時計を調節する効果があります。
もともと人の体内時計は、24時間より長く設定されているため、毎日リセットしなければ生活リズムがズレてしまいます。
起床後は、日光にあたって体内時計をリセットしましょう。
入浴でリラックス
入浴には、寝つきを良くする効果があります。
入浴すると副交感神経が優位になり、体がリラックスした状態に。
加えて、人は体温が下がると眠気を感じやすくなります。
入浴後に眠くなるのは、一時的に上がった体温が時間とともに下がるためです。
就寝する2時間前後に入浴するのが理想的とされているので、就寝時間に合わせて入浴のタイミングを決めると良いでしょう。
睡眠の質を高める
ダイエットの効果を高めるには、睡眠の質も重要です。
質の高い睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、筋肉や肌の回復を促進します。
睡眠の質を高めるには、生活リズムを整えることに加えて、眠りやすい環境を整える必要があります。
【スムーズに入眠する方法】
- 寝室を暗く、静かで涼しい状態に保つ
- 寝具を快適なものにする
- 読書や瞑想、音楽を聴くなどしてリラックスする
- 睡眠の5〜6時間前までにカフェインの摂取を控える
- 就寝の数時間前までに適度に運動しておく
就寝前は照明を調整し、少し暗めにしておくと眠りやすくなります。
スマホやPCなどの電子機器に触るのも避けたほうがよいでしょう。
寝る前のカフェインやアルコールの摂取、食事も睡眠の質を低下させる原因になります。
就寝前はあまり食べたり飲んだりしないようにしましょう。
どうしても痩せない場合はジムを活用しよう
どうしても痩せない場合は、ジムを利用するのもひとつの方法です。
仕事や育児などで何かと忙しい30代。
なかなかダイエットに集中できない男性も多いでしょう。
ひとりの力でダイエットするには難しいと感じている方には、パーソナルジムがおすすめです。
パーソナルジムでは、専属のトレーナーが利用者1人ひとりに合わせたトレーニングメニューを提案してくれます。
食事に関するアドバイスをもらえるほか、メンタル面でのサポートも。
プロのトレーナーにサポートしてもらえるので、効率的にダイエットを進められます。
何度もダイエットに挫折した経験がある方は、ジムへの入会も検討してみましょう。
30代の男性が痩せるには生活習慣の見直しが必須!
30代の男性が痩せない原因について解説しました。
最後にポイントをまとめておきましょう。
- 30代男性の80%以上が運動不足
- 極端な食事制限は逆効果
- 適度な食事と運動で基礎代謝を向上させることが重要
「ダイエットはキツい」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに多少の我慢は必要ですが、続けられないほどキツいと感じる方法は避けるべきです。
無理のない方法で、ダイエットに取り組みましょう。
30代の男性が無理なく痩せる方法も解説しているので、ぜひご覧ください。