「最近ウエスト周りに脂肪がついてきた…」「ダイエットしてもなかなか脂肪が落ちない…」と困っている男性も多いのではないでしょうか?ウエスト周りのダイエットは、脂肪が増える原因を理解し、適切な方法で減量すればそれほど難しくありません。
この記事では、男性のウエスト周りに脂肪がつく原因とその対策を、トレーナー歴17年のパーソナルトレーナーが解説します。
Contents
男性のウエストに脂肪が増える原因は?
ウエスト周りに限らず、全身の脂肪は「摂取カロリー>消費カロリー」という状態が続くと徐々に増えていきます。また、脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪の2種類に分けられます。
【脂肪の種類】
- 皮膚の下につき指でつまめる皮下脂肪
- 内臓の周りにつき多くつきすぎるとお腹がポッコリしてくる内臓脂肪
男性は女性と比べて内臓脂肪が多くつきやすいため、ウエストなどのお腹周りに脂肪がつきやすい傾向にあります。
男性がウエストのダイエットを成功させるには消費カロリーを増やし、摂取カロリーを減らせばよいのです。消費カロリーを増やすには、運動で活動量や活動量を高めると効果的です。
ウエストをダイエットしたい男性におすすめの筋トレ
ウエスト周りをダイエットするための筋トレといえば、「腹筋」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。残念ながら「腹筋」だけではウエスト周りの引き締めは難しいです。
筋トレによって、脂肪が筋肉に変わると考える方もいるようですが、どれだけ筋トレしても脂肪が筋肉に変わることはありません。ではなぜダイエットするために筋トレをするのでしょうか?それは、筋肉量が増えると日々の消費カロリーが増えやすくなるためです。
特に、身体の中でも大きな筋肉を鍛えると筋肉量が増えやすく、消費カロリーも増えやすくなります。また、多くの筋肉を使う筋トレも、ウエストのダイエットに有効です。
【ウエストのダイエットで鍛えるべき部位】
- もも、お尻など下半身
- 背中
- 胸
- お腹
太ももやお尻には大腿筋や大殿筋などの大きな筋肉があります。下半身には大きな筋肉が集まっているため、鍛えることで効率的に筋肉を増やせます。背中の広背筋や胸の大胸筋も比較的大きな筋肉です。
お腹の筋肉は、単体で比較するとそれほど大きくはありませんが、表面にある腹直筋だけではなく、腹斜筋や腹横筋などをまとめて鍛えると効果的です。
これらの筋肉を鍛えることで日々の消費カロリーが増え、ウエストの脂肪が落ちやすい身体を作ることができるのです。これらの部位を使うおすすめの筋トレをご紹介しましょう。
ノーマルスクワット
ノーマルスクワットは、筋トレの中でも特に多くの筋肉を鍛えられる筋トレです。お尻や太ももなど、脚の大きな筋肉を効果的に鍛えられます。また、正しいフォームでスクワットを行うと、体幹の大きな筋肉も鍛えられます。
【ノーマルスクワットのやり方】
- 脚幅を肩幅程度に開き、つま先をやや外に向けます
- お尻を床に近づけるイメージで、お尻が膝と同じ高さになるところまでしゃがみます(難しい人はしゃがめるところまででOK)
- 腰を挙げて①の姿勢に戻ります
しゃがむ際は、お尻を後ろに突き出すようなイメージで腰を下げましょう。また、ひざを曲げるときは、つま先より前にひざが出ないようにします。1セットにつき10~20回を目安に行いましょう。
腕立て伏せ
腕立て伏せは、胸や二の腕、体幹の筋肉を鍛えられる筋トレです。複数の筋肉を同時に鍛えられるので、ウエストのダイエットに取り組む男性に向いているトレーニングといえるでしょう。
【腕立て伏せのやり方】
- うつ伏せになり、手を肩幅の1.5倍程度まで広げて床に着けます
- 足を後ろに伸ばし、手と足先で身体を支えます
- 胸を床につけるように腕を曲げます
- ②の姿勢に戻ります
腕立て伏せの間は、ひざを伸ばして頭からかかとまでのラインをできるだけ一直線に保ちます。1セットにつき5~15回が目安です。通常の腕立て伏せで、身体を持ち上げるのが難しい方は、ひざをついて負荷を下げた状態で始めるとよいでしょう。
ベントオーバーロウイング
ベントオーバーロウイングは、背中の筋肉を鍛えられる筋トレです。動作中はもちろん、姿勢の維持にも背中の筋肉を使うため、ウエストのダイエットに向いている種目といえるでしょう。
ベントオーバーロウイングではダンベルを使用しますが、ない場合は水の入ったペットボトルで代用できます。
【ベントオーバーロウイングのやり方】
- 両手にダンベルをもち、状態を45度前に傾ける
- 両腕をぶら下げる
- 肩甲骨を寄せながらダンベルをへその高さ位まで引き上げる
- 再び手を下ろして②の姿勢に戻る
ベントオーバーロウイングの際は、背中の筋肉をしっかり使うために、肩甲骨の内側や背中の横の筋肉を意識しながら動きましょう。1セットにつき15~20回が目安です。
ツイストクランチ
ツイストクランチは、腹筋運動に捻りの動作を加えた筋トレです。お腹の全面にある筋肉はもちろん、脇腹や腰回りなどウエスト周りの筋肉をトレーニングできます。
【ツイストクランチのやり方】
- 手を頭の後ろで組んで仰向けになり、足を浮かせます
- ひざと股関節を直角に曲げます
- 上体を起こしながら右にひねります
- 捻りきったところで1秒止めます
- 上体を下ろして、③~④の要領で左側に上体を捻ります
上体を起こす際は、ろっ骨を反対側の太ももに近づけるイメージで動くと、腹筋にしっかり負荷をかけられます。最初は大きく動くことよりも、上体を丸め捻る動きと腹筋を使うことを意識しましょう。1セットにつき左右合わせて10~20回が目安です。
ウエストをダイエットしたい男性におすすめの有酸素運動
有酸素運動もウエストのダイエットにおすすめのトレーニングです。有酸素運動で脂肪を燃やすためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
【有酸素運動で脂肪を燃やすポイント】
- 20分は続けられる強度で行う(「ややきつい」と感じる強度が目安)
- 強度や時間は徐々に伸ばす
- 日々継続して行う
有酸素運動は、呼吸が「少しきつい」と感じるくらいのペースで取り組むと効果的です。おすすめの有酸素運動方法を紹介しますが、上記の3点をクリアできる運動であれば、他の運動でもOKです。
ウォーキング・ジョギング
ウォーキング・ジョギングは、特別な道具を必要としないため、手軽に始められる有酸素運動といえるでしょう。動作が単調で飽きてしまう人は、イヤホンで音楽を聴きながら運動すると気分も上がるのでおすすめです。(イヤホンを使用する際は周りの安全に十分注意しましょう。)
サイクリング
自転車をこぐのもウエストのダイエットに有効な有酸素運動です。自転車を用意したり、安全にサイクリングできるコースを見つける必要があるため、手軽さという点ではウォーキングやジョギングよりも始めるハードルが少し高いといえるでしょう。
しかし、効果的に脂肪を燃やすという点では、ウォーキングよりも高い効果が見込めます。春や秋など、風が気持ちいい時期には特におすすめです。
身体を動かす趣味・活動
運動を長く続けるコツは、楽しいと感じる身体を動かす趣味を見つけることです。趣味で身体を動かせば、それ自体が一種の有酸素運動になります。いくつか例を挙げておきましょう。
【身体を動かすスポーツ・活動】
- ゴルフ
- テニス
- 登山
- キックボクシング
- ボルダリング
趣味を持つことで、共通の趣味や活動に取り組む人達と交流できるメリットもあります。社会性を高める活動には、筋肉の合成に重要な役割を果たす男性ホルモン「テストステロン」の分泌を向上させる効果も期待できます。
通勤や日常生活で活動量アップ
短期間で大幅にウエスト周りをダイエットするのは、容易ではありません。ハードな運動や厳しい食事制限をしても、1日に減らせる脂肪はそれほど多くはありません。また、無理なダイエットは体調を崩す可能性もあります。
無理なくウエストのダイエットを成功させるには、ハードなトレーニングで瞬間的に消費カロリーを増やすよりも、日常生活での活動量を増やしたり、代謝を高めた方が効果的です。
運動の時間を確保するのが難しい方でも、「寝ている・座っている」時間を「立つ・歩く」時間に変えるだけで、1日の消費カロリーは増やせます。いくつか例を挙げておきましょう。
【日常生活の中で消費カロリーを高める方法】
- 少し早起きして、いつもより遠回りで徒歩出勤
- 自転車や徒歩で買い物に行く
- エレベーターではなく、階段で移動する
普段の生活の中で、身体を動かすことを習慣化するだけでも、消費カロリーを高められます。運動が苦手な場合は、まずは日常の活動の中で身体を動かす機会を作ることを意識するとよいでしょう。
ウエストをダイエットする際の食事のポイント
筋トレや有酸素運動は、消費カロリーを増やすための運動です。摂取カロリーが高すぎると、運動していても摂取カロリー>消費カロリーの状態になり、なかなかウエストの脂肪が減らない原因になります。そのため、ウエストの脂肪を落とすには食事の管理も必要です。
食事の管理というと、食べる量や内容を厳しく管理する「食事制限」を想像される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、もともとの食生活が乱れているのであれば、「バランスの取れた食事」「標準の摂取カロリー」にするだけで、十分ウエスト周りの脂肪を落とすことができます。
筋トレするならタンパク質をしっかり摂る
ウエストのダイエットには筋トレが有効であることを解説しましたが、筋トレだけでは筋肉は増えません。筋肉の合成に必要な栄養素が不足していると、筋肉は増えません。
筋肉の合成に必要な栄養素はいくつかありますが、最も大切なのは「タンパク質」です。タンパク質は主に以下のような食品に多く含まれています。
【タンパク質が豊富な食品】
- 肉
- 魚
- 卵
- 乳製品
- 大豆製品
ダイエットのために筋肉を増やしたい方は、体重1kgにつき1.5~2g程度を目安にタンパク質を摂取するとよいでしょう。毎日、この量のタンパク質を食事で摂るのが難しいという方は、「プロテイン」で補うことも検討しましょう。
炭水化物は適切な量に抑える
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、体脂肪が増えることを先に解説しましたが、摂取カロリーが増えてしまう要因の1つとして、「炭水化物の摂りすぎ」が挙げられます。炭水化物を減らし過ぎると、代謝が落ちて消費カロリーが減るといったデメリットもありますが、摂り過ぎは禁物です。
ご飯を大盛りで食べたり、砂糖が使用されたお菓子や清涼飲料水をたくさん食べている方は、炭水化物を摂りすぎている可能性が高いです。ダイエット中は甘いものは控えた方がよいでしょう。
炭水化物の摂取量は、ごはんは1食あたり茶碗1杯、砂糖は1日25g以内を目安にしましょう。
食物繊維が豊富な食品を取り入れる
食物繊維には、以下のような効果があります。
【食物繊維の効果】
- 糖質の吸収を緩やかにして、脂肪の合成を抑える
- 腸内環境を整える
- コレステロールの吸収を抑える
ダイエットにも健康にも嬉しい効果があります。食物繊維が豊富な食品もご紹介しましょう。
【食物繊維が豊富な食品】
- 色付きの穀物(玄米、全粒粉、ライ麦など)
- 海藻類
- 豆製品
- キノコ類
- 野菜類
炭水化物は、糖質と食物繊維が合わさった栄養素です。そのため、米や麦などにも食物繊維が含まれています。野菜だけではなく、玄米やライ麦などの食物繊維を多く含む穀物を食事に取り入れると、糖質を摂りつつ、食物繊維もしっかり摂取できるでしょう。
無理のない方法でウエストのダイエットを成功させよう
男性がウエストのダイエットを成功させるためのポイントをまとめておきましょう。
- 消費カロリーを増やして摂取カロリーを減らす
- 消費カロリーを増やすのは筋トレと有酸素運動
- 摂取カロリーを減らすのは食事管理
ウエストのダイエットを成功させる上で、最も大切なことは「継続すること」です。1日死ぬ気で運動をしたり、食事を抜いたりすると、体重が減ることもありますが、それは体内の「水分」が減っただけで、体脂肪はほとんど減っていない場合が多いです。
ウエストの脂肪を確実に減らすには、1日1日コツコツダイエットを続けること以外に方法はありません。筋トレ・有酸素運動も食事管理も「継続できるレベル」で行うことが大切です。
地道な積み重ねが、遠回りに見えて実は一番の近道なのです。自分のペースに合わせて、無理のない範囲でダイエットに取り組みましょう。